乃木坂46、22ndシングル選抜に見るグループの“今” 相次ぐ卒業に応える次世代メンバーに期待
8thシングル「気づいたら片思い」で初センターを飾り、9thシングル「夏のFree&Easy」、11thシングル「命は美しい」で単独センターを務め、17thシングル「インフルエンサー」や19thシングル「いつかできるから今日できる」などでもWセンターを務めてきた西野七瀬。今回、シングル表題曲で単独センターを務めるのは11thシングル「命は美しい」以来、約3年半ぶりのことだ。
「西野さんが初めてセンターを務めた「気づいたら片思い」から、彼女にはしばしば“儚さ”のイメージが投影されがちだったように思います。しかし、その“儚さ”ばかりに彼女の特徴を代表させるのは、少しもったいない気がします。西野さんが卒業発表した際の記事でも触れましたが、乃木坂46はキャリアを重ねる中でアイドルが“自然に成熟していく姿”をグループの表現として見せることに成功しています(参考:乃木坂46 西野七瀬、年内卒業へ “自然な成熟を見せる”グループを軸として支えた功績)。そして、そうした表現を築いてきた近年の乃木坂46で、中心人物となっていたのが西野さんでした。それを考えれば、乃木坂46の全体的な基調を作るうえで、想像以上に大きな役割を果たしているのではないかと思います。その彼女の集大成にもなる今作の楽曲やMVなどで、円熟期にある乃木坂46がどのような表現を提示するのかが楽しみなところです」
香月氏は「3期生が順調に成長していく中で、2期生メンバーの今後にも注目したい」と語る。
「グループの循環を象徴的に担う役割を3期生が背負っているだけに、気になるのは2期生メンバーをどのように見せていくかです。今回も選抜入りしている堀未央奈さん、新内眞衣さんらはすでに選抜メンバーとしての実績を重ねていますが、それぞれのスタイルでキャリアを積みつつある他の2期生メンバーを、いかに目立たせていくか。シングル表題曲の選抜は人数に限りがあるためどうしてもバランスを取るのが難しくなると思いますが、今後も引き続き課題として注視していきたいところです。乃木坂46のカラーや体制が整い、社会的な認知度も高くなった段階で加入した3期生と、グループの形をまだ模索していたデビュー翌年時点で加入した2期生とでは、置かれた環境を単純に比較することはできません。けれども、グループのさらなる好循環を期待する意味でも、2期生が継続的に目立つ場所が作られればよいなと思います」
1期生の主要メンバーが卒業していく中、今後を託された2期生、3期生メンバーはどのような成長を遂げていくのか。まだ表題曲のMVやカップリング曲の詳細は発表されていないため、今後はその布陣にも注目が集まるだろう。
(文=泉夏音)