西野七瀬、乃木坂46の“希望”から“絶対的エース”に至る軌跡 7年間で遂げた飛躍を辿る

 ティッシュ配りをして泣き、太った鳩が好きというエピソードを話しながら泣いていた西野七瀬。そのイメージが変わったのは、4thシングル『制服のマネキン』から5thシングル『君の名は希望』にかけてだろう。

西野七瀬 1stフォトブック『わたしのこと』

 「制服のマネキン」で選抜の中心メンバーである七福神から漏れた西野は“入れ替わったメンバーが自分だけだ”という葛藤の中で、自分の気持ちを表に出すパフォーマンスができるようになった。『君の名は希望』でも福神入りは果たせなかったが、MV「君の名は希望 DANCE&LIP ver.」の最後にタイトルが出て、西野のナチュラルな笑顔が映し出された時、ひとつの希望が生まれたと感じたファンは多かったはずだ。

 「君の名は希望 DANCE&LIP ver.」を撮影した丸山健志監督は「歌詞を理解したいい表情をしていたので、想定以上にリップシーンが増えたんです。なんでこんなに危うい魅力が出せるんだと思いました」と語っている(参考:『OVERTURE No.001』)。

 6thシングル「ガールズルール」では福神に復帰し、7thシングル「バレッタ」ではフロントメンバーになり、8thシングル気づいたら片想い」でついにセンターに立った。西野は繊細に変化する表情やしなやかなダンスで曲の世界を描き、乃木坂46を新たなフェーズに導いた。

 その後、西野は9thシングル「夏のFree&Easy」、11thシングル「命は美しい」でセンターに選ばれ、13thシングル「今、話したい誰かがいる」と17thシングル「インフルエンサー」で白石麻衣とWセンターを務めると、19thシングル「いつかできるから今日できる」では齋藤飛鳥とのWセンターでグループの人気を押し上げた。

 生駒里奈は西野について「なーちゃんが乃木坂を変えたと思ってます。いまの乃木坂の儚いイメージを作り上げたのはなーちゃんなんですよ」とコメントしている((参考:『EX大衆』2018年5月号)。

 西野が持っている“儚げで守ってあげたいと思わせる雰囲気”の奥にあるのは仕事に対する使命感であり、少年のような探求心である。

 個人仕事が多い西野だが、リハーサルへの出席率が高く、熱心に取り組んでいた。北野日奈子によると「七瀬さんと生駒さんからは熱さというか『ここが頑張り時なんだ』というのが伝わってくる」(参考:『EX大衆』2017年1月号)という。

 本人は「性格上、全部頑張ってしまうだけなんです(笑)。手を抜くことができないから、体力的にキツいなと思うことはあります」(参考:『OVERTURE No.015』)と語っている。

 そのインタビューでは20thシングル「シンクロニシティ」のダンスに並々ならぬこだわりを見せていた。

 「振り入れの時は『なんで先生たちはあんなにキレイに踊って表現することができるんだろう。同じ振りなのに私と何が違うんだろう』と落ち込んで悔しい思いをしたんです。先生たちが踊ってる『シンクロニシティ』の動画を何十回も観ました。一時停止して『こうしてるからカッコよく見えるのかな』と研究して、自分のダンスがキレイに見えるようにしたかったんです」(参考:『OVERTURE No.015』)。アイドルを7年続けてなお、自身のパフォーマンスを追求しているのだ。

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