タッキー&翼の解散を惜しむ 滝沢秀明と今井翼の異なるスタンスを振り返る

 ダンスにおいてもワールドレベルに達した今井は、世界のトッププロダンサーが“床が燃え上がるほど”激しいダンスを披露する『バーン・ザ・フロア』日本公演で、日本人初のスペシャルゲストダンサーを務めることに。ステージに立った今井の絞られた身体を見れば、どれほどの鍛錬を重ねてきたのかが伝わってきた。昨年の11月に今井はジャニーズweb内のブログで「いやー 踊りたい。そして叶うなら、また東山(紀之)さんと踊りたいです」「今井翼 踊りたいです。踊りたいんだ!!」と綴っていた。それが実現しないままに退所を迎えると思うと、胸が締め付けられる。

 そんなストイックな今井のこと、もしかしたら先の見えないメニエール病との闘いにも集中したいと考えたのかもしれない。そして、その真面目すぎるほど真っ直ぐな性格を、誰よりも理解している滝沢が今井の想いを知ったのなら……。そんなことを考えなければ、解散そして引退、退所という現実を受け入れるのが難しいほど、タッキー&翼はこのまま解散するには、あまりにも惜しいユニットだった。

 多くの後輩たちからは慕われ、先輩たちからは頼りにされ、伝統を守りながらも革新的な取り組みで、ジャニーズブランドを進化させた滝沢と今井。スタンスが異なるふたりの間には、いつもお互いの表現に対する尊重とリスペクトがあった。

 今井が病に倒れて出演が叶わなかったコンサート『Two Tops Treasure Tackey&Tsubasa Tour 2014』で、滝沢はひとりでステージに立つも、不在の今井がいるかのようにマイクスタンドをセット。そして“翼”とプリントされたTシャツを着込み、「僕が滝翼を守る」と話していたのを思い出す。

 今回の決断が、滝沢と今井の未来を守るために必要だったのだと思える日が来ることを、切に願っている。そして、いつかまた今井が思い切り踊れる日を、そして滝沢が広げる新たなジャニーズの可能性を楽しみに待ちたい。

(文=佐藤結衣)

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