星野源「アイデア」とBTS「IDOL」MV分析 両者が映像で表現した“ルーツ”と“アイデンティティー”

 星野源とBTS。フィールドは違えど、どちらも自身のルーツやアイデンティティーを各々の仕方で提示している。ある程度活動を積み、その実績が認められた彼らがこうしたテーマに挑むことで、次のステップへ向かうための確かな足場作りとなっている。そして、自身のこれまでの作品を忍ばせることで長年のファンは今現在の彼らの中にも自分自身が存在していることを確認できるだろう。アーティストの自己参照がファンとの意思疎通となっている。

 今回、話題となっているミュージックビデオを見てみると、そこにはアーティストが活動を進めていくなかでファンのことを思い、ファンとともに活動を歩んでいこうというコミュニケーションの場が繰り広げられていた。音楽の楽しみ方やアーティストのあり方が多様化する中で、ミュージックビデオの表現内容も変わってきているのかもしれない。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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