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星野源「アイデア」はなぜ大きな現象を生んでいる? 音楽的な面白さから楽曲の魅力に迫る

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 星野源の新曲「アイデア」が凄まじい注目を集めている。8月20日に配信されると同時に各配信チャートで1位を独走。8月20日付のオリコンデイリーデジタルシングル(単曲)ランキングにおいて史上最高の売り上げを記録。さらに先日発表となったBillboard JAPAN HOT 100においてパッケージのリリースがないにも関わらず、総合首位を獲得、オリコン週間デジタルシングルランキングでも1位を獲得し、配信リリース作品として史上初の主要ランキング2冠を達成、圧倒的なチャートアクションを見せている。さらに20日に公開されたMVは8月31日現在600万回再生を突破。SNSでも楽曲に対するコメントが相次ぎ、大きな現象となっているのだ。

星野源 – アイデア【Music Video】/ Gen Hoshino – IDEA

 なぜ「アイデア」は、これほど強いアクションを引き起こしているのか。星野自身も8月22日放送の『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)や「アイデア」特設サイトのなかでかなり詳細に語っているが、ここで改めて、この楽曲の魅力を紹介したい。

 NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)の主題歌としてオンエアされた「アイデア」。この曲の特徴を端的に言うなら、星野源の“これまで”と“現在”そして“これから”が凝縮されているということだ。

 イントロは星野自身が演奏するマリンバから始まる。インストゥルメンタルバンドSAKEROCKでもギターとマリンバを担当。ソロアーティストとして活動をスタートさせてからも「恋」をはじめとする多くの楽曲でマリンバを取り入れるなど、この楽器は星野源の音楽と密接に関わっている。いまとなってはマリンバの音色が聴こえてくるだけで「星野源っぽい」と感じるリスナーも多いのではないだろうか。

 これも有名な話ではあるが、星野がマリンバを演奏するようになったきっかけは、細野晴臣の影響。「トロピカル・ダンディー」「泰安洋行」に代表されるエキゾチカを象徴する楽器のひとつが、マリンバだったのだ。(もともと“エキゾチカ”は、細野がインスパイアされたマーティン・デニーのアルバム名に由来している)これまでの星野源の音楽的な軸である“エキゾチカをJ-POPに昇華する”というコンセプトもまた、細野の音楽に触れたことが大きく関係している。その最新バージョンとも言えるのが、「アイデア」のイントロなのだ。

 星野自身が“1曲のなかに3曲分の要素を詰め込んだ”と語っている通り、大きく雰囲気が変化する楽曲構成も「アイデア」の面白さ。まず1番には、アルバム『YELLOW DANCER』で打ち出した“踊れるJ-POP”を継承するアレンジが施されている。ブラックミュージックのテイストをたっぷりと吸収したアレンジ、叙情性とソウルネスを共存させたメロディ、そして、解放感に溢れたボーカルは、星野源の“陽”の部分をわかりやすく提示している。それはまさに“これまでの星野源”(のパブリックイメージ)を象徴するパートと言えるだろう。

 〈おはよう 真夜中 虚しさとのダンスフロアだ 笑顔の裏側の景色〉というラインで始まる2番は、ポップに開かれた1番とはまったく異なる、ダークで陰鬱なムードを描き出す。自らの内側に深く入り込み、不安、葛藤、諦念といった負の感情と格闘するかのような歌詞が心に残るが、これもまた星野源という表現者が持つ一面。STUTSによるエッジの効いたトラックは、最新鋭のビートミュージック、オルタナR&Bとも重なっていて、現在の星野の音楽的興味が伺える。

      

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