BTS、『LOVE YOURSELF』シリーズで見せた大人への成長 『結 ‘Answer’』で示したもの

 8月24日にリリースされた『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』で、デビューミニアルバム『2 Cool 4 Skool』〜『Skool Luv Affair』の“学校3部作”、『花様年華』シリーズ=“青春3部作”に続くBTS(防弾少年団)の新たな3部作は幕を閉じた。今作は前2作の楽曲に新曲を加え、1枚のアルバムとして再構成し直した変形のリパッケージ(韓国アイドルのアルバムではよくあるリリース形式)で、『花様年華』シリーズにおける『Young Forever』と似た位置づけと言えるだろう。すでに『Tear』リリース時にティーザーとして公開されていた「Euphoria」から始まり、『Her』ー『Tear』ー『Answer』とアルバムのリリース順に構成された楽曲は、3人のラッパーのソロトラックを挟んで展開してゆく。

『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』

 『LYS』シリーズの前にBTSを取り巻く環境は大きく変わったが、それに伴い彼らに投げかけられた疑問符への出来うる限りの解答が示されたのが、まさにこの『Answer』と言えるのではないだろうか。タイトル曲の「IDOL」は、南アフリカ発祥のハウスジャンルであるゴム(gqom)と韓国の民族音楽である国楽をミックスさせている。MVには随所に韓国的なモチーフが散りばめられ、衣装や色彩は“KPOPらしさ”を大胆に表現しているかのようだ。これは“KPOP”が欧米の音楽文化圏から投げかけられてきた、極端に欧米化されてきたクリエイションと、KPOPならではのオリジナリティはどこにあるのか? という疑問に対するある種の答えにも見える。

 “アーティストなのか、アイドルなのか”という歌詞も同様で、アイドル文化が希薄な欧米の音楽文化圏での、アイドルの位置づけに対する牽制のようにも思える。韓国的モチーフを楽曲に取り入れる試みは、韓国において特にヒップホップジャンルでは以前から適宜見られており、アーティスト/アイドル議論についても「IDOL」の導入部の歌詞は元祖“自作ドル”であるBIGBANGのG-DRAGONが以前尋ねられ答えた内容と共通している。そして、メンバー自ら作詞作曲を手がける“自作ドル”の多い韓国アイドル界では、BTSがアイドル以外の席に並んだことはない。しかし、今最も世界中から注目を受けている“KPOPグループ”であるBTSが、あえてこれを明言することそのものが重要なのだろう。彼らの行動やクリエイションが、欧米圏でのKPOPに対するイメージをそのまま左右しかねない状況でもあるからだ。そういうシチュエーションにおいて、“自分達はアイドルであり、そのことに誇りを持っている”と明言し、自分達のルーツカルチャーやマイノリティ発祥の民族音楽を取り込んだ表現を発表することは、特別な意味を持っていると言えるのではないだろうか。

BTS (방탄소년단) ‘IDOL’ Official MV

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