高橋芳朗の新譜キュレーション
ドレイクからSHINeeまで 高橋芳朗が選ぶ、マイケル・ジャクソンへのオマージュ10曲
実は8月の初め、マイケル・ジャクソンの正統後継者であるクリス・ブラウンが自身のSoundCloudに「Rock With You」をサンプリングした直球オマージュソング「Had To Do It… Sorry DJ Khaled」をアップしたのですが(DJキャレドのアルバム用に録った未発表曲?)、これが残念なことにわずか数日で削除。このままお蔵入りになりそうな気配が濃厚なので、その代打としてSHINeeの三部作『The Story of Light』シリーズの第一弾より「JUMP」を取り上げておきます。ソングライティングを手掛けたカーティス・リチャードソン(ジェニファー・ロペスが2002年に放った全米ナンバーワンヒット「All I Have」で名高い)は『Off The Wall』期のマイケルにインスパイアされたことを自身のTwitterで明かしていますが、どちらかというとハウスフィールなThe Jacksons「Show You The Way to Go」(1976年)といった趣き。ともあれ、抗えない気持ち良さを備え持った曲であることに変わりはありません。
K-POPといえばTWICEが映画『センセイ君主』のテーマソングとしてJACKSON 5の「I Want You Back」をカバーしていましたが、いま映画絡みで「I Want You Back」といったらやっぱり『カメラを止めるな!』の主題歌、謙遜ラヴァーズ「Keep Rolling feat. 山本真由美」で決まりでしょう。TVアニメ『ゆるキャン△』オープニング曲の亜咲花「SHINY DAYS」なども含め、2018年は「I Want You Back」カバー/オマージュの当たり年といえそうです。
■高橋芳朗
1969年生まれ。東京都港区出身。ヒップホップ誌『blast』の編集を経て、2002年からフリーの音楽ジャーナリストに。Eminem、JAY-Z、カニエ・ウェスト、Beastie Boysらのオフィシャル取材の傍ら、マイケル・ジャクソンや星野源などライナーノーツも多数執筆。共著に『ブラスト公論 誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』や 『R&B馬鹿リリック大行進~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~』など。2011年からは活動の場をラジオに広げ、『高橋芳朗 HAPPY SAD』『高橋芳朗 星影JUKEBOX』『ザ・トップ5』(すべてTBSラジオ)などでパーソナリティーを担当。現在はTBSラジオの昼ワイド『ジェーン・スー 生活は踊る』の選曲も手掛けている。