ドレイクからSHINeeまで 高橋芳朗が選ぶ、マイケル・ジャクソンへのオマージュ10曲

 3曲目はフランス人シンガーソングライターのエロイーズ・ルティシエによるソロプロジェクト、Christine and the Queens。ワールドワイドで130万枚を超えるセールスを記録した『Chaleur Humaine』(2014年)に続く、9月21日リリース予定の2ndアルバム『Chris』からの第2弾リードシングル「Doesn't Matter」を。もともとマイケルへの憧憬を露わにしていたChristine and the Queensはアルバムデビュー前の2011年に「Who Is It」(1992年)をカバーしていたほか、フランス最大の音楽祭『Les Victoires de la Musique』で最優秀ミュージックビデオ賞を受賞したデビューヒット「Saint Claude」のMVでも強烈にマイケルへのリスペクトを打ち出していましたが、この「Doesn't matter」に関してはポール・マッカートニーが「今度の彼女の新曲はマイケルを彷彿とさせる」と絶賛。マイケルのオマージュといえば「Off The Wall」(1979年)と相場が決まっている(?)なか、なんと「Beat It」(1982年)をモチーフにしたと思われる80's調のダンスナンバーを披露しています。これはアルバムが俄然楽しみになってきました。

Christine and the Queens - Doesn't matter (Official Music Video)
Michael Jackson - Beat It (Official Video)
Christine and the Queens - Who is it

 デヴ・ハインズのソロプロジェクト、Blood Orange待望のニューアルバム『Negro Swan』から、The Internetのスティーヴ・レイシーをゲストに迎えた「Out of Your League」。出世作となった『Cupid Deluxe』(2013年)での「You're Not Good Enough」や前作『Freetown Sound』(2016年)での「But You」など、彼もアルバムをリリースするたびにマイケルのオマージュ曲をつくっていますが、回を重ねるごとにその表現がストレートになっているようです。この「Out of Your League」はおそらく「I Can't Help It」(1979年)あたりがモチーフになっているのだと思いますが、ソングライティングをスティーヴ・レイシーと共作している影響でしょうか、メロディの美しさは前述した楽曲と比較しても頭ひとつ抜きん出ています。

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