『FLOWERS』インタビュー
三浦祐太朗が明かす、『FLOWERS』完成までの足跡「自分を解放してみたらすごく楽になった」
“ベールに包まれている”のは、もういいかなと
――いろんな仕事と言えば、2014年からNACK5でレギュラーパーソナリティを務めていて……そこでは、アニメ好きであることも、かなり前面に出しているようですね。
三浦:そう、僕、アニメがめっちゃ好きなんですよ(笑)。アニメがもう、死ぬほど好き。ラジオでは、3カ月ごとに、「今期の嫁」と称して、お気に入りの女性キャラクターを紹介させてもらったりしていて。だから、このタイミングでアニメタイアップの話がきたときは、ホントに嬉しかったんですよね。しかも、ヒャダインさんが曲を書いてくださって。
――今回のアルバムの2曲目に入っている『邪神ちゃんドロップキック』(TOKYO MXほか)のエンディングテーマとなった「Home Sweet Home!」ですね。歌詞は三浦さんが書かれていますが……。
三浦:そうなんです。原作漫画を全部読んで、それに対する愛を書きなぐった感じですね(笑)。この歌詞に出てくるワードは、全部原作に出てくるものなので。
――ちなみに、三浦さんは、どういった感じのアニメが好きなんですか?
三浦:基本的に何でも観ますけど、異世界系とかハーレム系が好きですね……って、わかんないですよね(笑)。ワンクール3カ月で、大体12、3話なんですけど、それを毎クールだいたい録画して、それを観た上で最後まで観るものを絞っていく。そういうことは、毎回やっていますね。
――完全にそっち側の人じゃないですか。
三浦:ははは、そうなんですよ。
――というか、そういうアニメ好きな部分も、今回のアルバムには入っているわけですね。
三浦:そういう部分も、今回はガッツリ出していきたいというか、ベールに包まれているのは、もういいかなと思って。アニメも好きですし、でも、ちゃんと歌も歌っていますよと。そういう部分を、このアルバムでは出していきたいと思って……要は、全部出しです(笑)。だから、そういう意味でも、この4年間は、自分にとってすごい濃い時間だったんですよね。
――そんな三浦さんのアニメ愛が炸裂した前山田健一さん作曲の「Home Sweet Home!」がありつつ、先ほどお話にも出てきた阿木さん作詞、宇崎さん作曲の「菩提樹」という曲も今回のアルバムには入っていて……これは完全な新曲なんですか?
三浦:はい。まったくの新曲を楽曲提供してくださって。この曲は「さよならの向う側」とリンクしたものになっているんですよね。「さよならの向う側」は〈約束なしのお別れです〉という歌なんですけど、そこから時を経て、今度はちゃんと約束して別れようっていう。そういう繋がりがあるんだよっていうことを、ちょうど昨日阿木さんがおっしゃっていました。
――ああ、転生輪廻的な。その「菩提樹」と前山田健一さん作曲の「ハタラクワタシへ」以外の6曲は、すべて三浦さんが作詞をしていますが、作詞というのはやはり、三浦さんの表現活動のひとつなのでしょうか?
三浦:昔は自分の書いた歌詞を歌うのがかっこいいと思っていましたけど、今はもう何でも歌えたほうがかっこいいかなと思っていて。“結局どんな曲を歌っても、三浦祐太朗だよね”と言ってもらえることを、今はひとつ目標にしているところがあるんですよね。
――なるほど。こうして話していて改めて思いましたが、今回のアルバムに収録された8曲は、いずれも本当にテイストの異なる楽曲になっていて。
三浦:そうですね。それぞれめちゃくちゃ個性の強い花が集まっていても、それを花束にすれば、何か綺麗だよなっていう。それで『FLOWERS』というタイトルにしたんですよね。個性の強い花束ではありますが、是非受け取ってくださいと。今回のアルバムは、そういう感じになっているんですよね。
――『I'm HOME』というカバーアルバムのあと、オリジナルとしては約4年ぶりとなるアルバムがこういうものになったのは、非常に面白いですね。
三浦:最初の話じゃないですけど、実は『I'm HOME』のあと、次にどんなものを出すかすごい迷ったんですよね。でも、迷ってもしょうがないかなと思って、何かこういう足跡的なもの、自分のすべてを出したものがいいのかなって思って。だから今は、いろんなことを全部並行してやっていければいいと思っているんです。カバー的なものも、需要があればこれからも歌っていきたいですし……そう、うちの母が歌った楽曲を歌い継いでいくことに関しても、僕は最近すごい使命感を感じているんですよね。なので、それはそれでやっていきながら、並行して自分のことを歌っていきたい。今は、その両方をちゃんとやっていきたい思っているんです。
――なるほど。どちらか一本に絞るのではなく。
三浦:そうですね。そうやって「これしかやらない」と自分で決めてしまうのは息苦しいですし、息子であることは、ゆるぎない事実なので。だから、今回のオリジナルアルバムを出して、どんなリアクションが返ってくるのか、すごい楽しみなんです。どんなリアクションでもいいんですけど、反響を見ながら「ああ、自分にはこういう曲が合ってるんだな」とか、多分またきっと、いろいろ感じたりすると思うので。
――今はそのあたりを柔軟に考えていると。そのような柔軟性っは昔からあったものなのですか?
三浦:いや、それこそ、ここ4年ぐらいの話ですね(笑)。昔は「自分はこっちをまずやりたいんだ」みたいな思いがありましたけど、もうそういう時期は過ぎました。歌はやっぱり聴いてくれるみなさんのものだと思うんですよね。そうやって自分を解放してみたら、すごく楽になって。だから今は何でもありかなという時期ではありますよね。今後どうなっていくかはわからないですけど、今はとにかく自分を全部解放してみて、そこからの取捨選択になっていくんだろうなと。だから、ある意味、過渡期は過渡期なのかもしれないです(笑)。
――ただ、そういう過渡期だからこそ、いろんな人に聴いてもらう、観てもらうことは、すごく大事になってきそうですよね。
三浦:そうですね。だから、このアルバムをいろんな人に聴いてもらって……このアルバムを聴いてくれた人は多分、「この人はいったいどういう人なんだろう?」ってなると思うんですよね(笑)。ただ、そこで興味を持ってもらって、過去にどんな曲を歌ってきたんだろうとか、バンドをやってたんだとか、母親のカバーをやってるんだとか、知ってもらったら嬉しいというか。これをきっかけに、いろいろ掘り下げてもらえたら嬉しいなと、今は思っているんですよね。
(取材・文=麦倉正樹)
■リリース情報
『FLOWERS』
8月1日(水)発売
CD
価格:¥2,500(税込)
収録曲:8曲
1. あさってのほうへ
作詞:三浦祐太朗 作曲・編曲:宮永治郎
2. Home Sweet Home !
作詞:三浦祐太朗 作曲・編曲:前山田健一
3. 月と木星の距離
作詞:三浦祐太朗 作曲:KOSEN
編曲:KOSEN / 宮永治郎
4. 届かない歌
作詞:三浦祐太朗 作曲・編曲:宮永治郎
5. 凍てつく太陽
作詞:三浦祐太朗 作曲:高木博音
編曲:高木博音 / 宮永治郎
6. WITH (10 years after Ver.)
作詞:三浦祐太朗 作曲:KOSEN 編曲:宮永治郎
7. ハタラクワタシヘ
作詞:山上陽介 / 有元沙矢香 / 福岡万里子 作曲:前山田健一
編曲:前山田健一 / 太田貴之
8. 菩提樹
作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 編曲:萩田光雄
三浦祐太朗 オフィシャルサイト
三浦祐太朗 ユニバーサルミュージックオフィシャルサイト
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