NormCoreの個性と魅力を全方位から体験 念願の初ワンマンで繰り広げた熱い夜

NormCore、初ワンマンレポ

 これまでの楽曲ではクラシック×ヘビーロック的なアプローチが目立っていたNormCoreだが、「モハンカイトウ」は意外にもヒップホップ〜R&B系のリズムトラックに女声コーラスが絡む作りに。〈あんな大人になりたくない〉といったメッセージやサビの突き進むようなメロディ、Fümiのストレートかつクリアな歌声も含め、聴き手の心にわかりやすく突き刺さる一曲となっていた。そしてFümi考案の「ハイ!」「ノームコア!」というコール&レスポンスでお客さんとのシンクロ率を100%まで高め、本編ラストの楽曲となる「カウントダウン」へ。そう、『名探偵コナン』のオープニングテーマとしてオンエア中のナンバーだ。照明が明滅するなか、唸る低音と鋭角的なバイオリンが絡み合い、そこにFümiの高音域を活かしたエモーショナルな歌声が切り込んでくる。終盤には楽器隊の情熱的なソロ回しも挿み、怒涛の畳み掛けでそのままラストへ。「ありがとうございました!」(Fümi)と簡潔に語って、メンバーはステージを降りた。

 間髪入れず盛大なアンコールが巻き起こり、やがてメンバーが再登場。ステージ上から記念撮影を行うなど、より親密な雰囲気でお客さんとの交流を楽しむ彼ら。まずは「宴会芸的にラフなセッションをしてみようと思います」(Fümi)と前置きして、Eveのボカロ曲「お気に召すまま」をTatsuのバイオリンとNatsuのクラシックギターのみをバックに披露する。クラシックというよりもブルーグラスに近い演奏で、後半はFümiの「行きまっせ!」という合図に合わせて客席からクラップも起こって盛大に盛り上がった。

 「俺んちに集まってぐうたらやる感じに似てるよね? これでたっちゃんがグミを噛じってて、なっちゃんがおにぎりを4個ぐらい食べてたら、いつもの感じですよね(笑)」とリラックスした様子で語るFümi。別れを惜しみながらも、9月8日には同会場にて2度めのワンマンライブ『NormCore Night Vol.2』を行うことを告知して、ファンを喜ばせる。そして最後は、彼がUMI☆KUUN名義で発表した2015年のデビュー曲「I am Just Feeling Alive」で締め括り。アンセムライクなメロディと〈Give me Give me One More Chance!!〉といった合唱向けのコーラスパートを持ったこの曲。当然会場は大合唱となり、みんなノリノリでジャンプして多幸感溢れるラストとなった。

 去り際には「また会う日までお互い笑顔でいましょうね! じゃあね!」と投げキッスして、最後までファンをとことん楽しませたいという精神が溢れまくっていたFümi。彼のこれまでのキャリアをさらいつつ、バイオリンとクラシックギターを加えたNormCoreというスタイルの可能性を様々な形で提示した今回のワンマンライブは、バンドの今後の活動の基盤にもなるだろう。次のワンマンではここからさらなる進化を見せてくれはずだ。

(文=北野創)

NormCore オフィシャルサイト

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