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オルタナティブR&Bからパワーポップバンドまで 高橋芳朗が気になる新鋭女性アーティスト5選

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 今回のキュレーション連載は、気になる女性アーティストの新作を5タイトルほど。

Natalie Prass『The Future and the Past』

 まずは『Rolling Stone』の2018年上半期総括企画「50 Best Albums of 2018 So Far」にも選出されるなどすでに欧米では一定の評価を確立しているNatalie Prassのセカンドアルバム『The Future and the Past』。Alabama ShakesでおなじみATO Recordsに移籍しての最初リリースになります。『Pitchfork』『The Guardian』『Stereogum』『Rough Trade』といった人気音楽メディアの年間ベスト選にランクインした2015年のデビュー作『Natalie Prass』では恩師Jenny Lewis直系のチェンバーポップにメンフィスソウル/カントリーソウルのエッセンスをうまく取り込んでいましたが、Amy Wadge(Ed Sheeran「Thinking Out Loud」、Kacey Musgraves「Wonder Woman」など)やMikky Ekko(Rihanna「Stay」、Vince Staples「Surf」など)らをソングライターに起用した今回は80’sポップ/90’s R&Bの影響が濃厚。Milaelin “Blue” Bluespruceがミックスを手掛けている曲があるから、というわけではありませんが、Carly Rae Jepsenの『E・MO・TION』(2015年)を想起させる場面もちらほら。以前よりライブ等でJanet Jackson「Anytime, Anyplace」(1993年)やAnita Baker「Caught Up in the Rapture」(1986年)のカバーを披露していたのでそういう素養がある人だということは理解していましたが、ここにきて一気にR&B要素を打ち出してきた印象です。プロデュースは前作に引き続き同郷バージニア出身のMattew E. Whiteが担当。

Natalie Prass – Short Court Style
Natalie Prass – Sisters
Amber Mark『Conexao』

 続いては昨年夏にDisclosureやJessiw Wareを擁するPMR Recordsからメジャーデビューを果たしたニューヨークを拠点とするオルタナティブR&Bの新鋭、Amber MarkのセカンドEP『Conexao』。トライバル/トロピカルな要素もあった前作『3:33 AM』のジャジーな魅力を強調した内容は、むしろこちらのほうが「午前3時のソウルミュージック」と呼ぶにふさわしいかと。Sade「Smooth Operator」(1984年)にインスパイアされたようなボサノバ調のタイトル曲以下、『Pitchfork』の「Best New Track」に選出されたセンシュアルなスロウジャム「Love Me Right」、アイランドフィールあふれるアレンジが光るSadeの名曲カバー「Love Is Stronger Than Pride」(このカバーにあたってはSade Adu本人に直接コンタクトをとって了承を得たとのこと)、バレアリックなビートに切り替わる展開がかっこいい「All The Work」など、90年代のUKソウル的なクールネスにしびれる全4曲。直近ではChromeoの新作『Head Over Heels』収録の「Just Friends」でも好演していたAmber、俄然フルアルバムが楽しみになってきました。まだクレジットを入手できていないのですが、おそらく今回もすべてセルフプロデュース。

Amber Mark – Love Me Right
Amber Mark – Love Is Stronger Than Pride
The Aces『When My Heart Felt Volcanic』

 3枚目は20代前半のメンバーで構成されながらすでに10年の活動歴を誇るユタ州出身のガールズバンド、The Acesのデビューアルバム『When My Heart Felt Volcanic』。こちらはRed Bull Recordsからのリリース。ジャケットの雰囲気からなんとなく察しがつくと思うのですが、これがいままでいそうでいなかったストレートなHaimのフォロワー。Fleetwood Macマナーのコーラスワークから80’sポップや90’s R&Bを参照したダンサブルなバンドサウンドまで、「本家」のチャームポイントを実によく研究しています。Fedrick Berger(Mura Masa、Charli XCX)、Josh Gudwin(Dua Lipa、Justin Bieber)、Dan Nigro(Carly Rae Jepsen、Twin Shadow)、Greg Wells(Dua Lipa、Carly Rae Jepsen)など売れっ子コンポーザーのサポートもあって楽曲のクオリティも総じて高く、特に「Stay」や「Bad Love」といった快活なアップナンバーはHaimの最新作『Something to Tell You』に足りなかった要素といえるのではないでしょうか。

The Aces – Stuck
The Aces – Bad Love

      

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