<ハロプロ>20年間からベスト100曲を選出 独断だが偏見ではない楽曲レビュー(後編)

■069 My Days for You/真野恵里菜
作詞:NOBE 作曲:中島卓偉 編曲:鈴木俊介
収録盤:真野恵里菜『My Days for You』(2011年6月29日発売)

My Days for You/真野恵里菜

 前年2010年のシングル曲「元気者で行こう!」も良かったが、やはり真野恵里菜の代表曲といえば本曲になるのではないだろうか。中島卓偉作曲による歌メロがとにかく良い。歌詞も〈泣き虫で弱虫な〉という箇所は真野への当て書きとも取れるが、〈いつも見ててくれてありがとう 支えてくれていてありがとう〉など、歌手とファンの関係を綴った普遍的なものとなっている。ラストフレーズの〈これからもどうぞよろしくね〉は涙腺決壊もの。

■070 シルバーの腕時計/モーニング娘。 [田中れいな、鞘師里保 (ラップ:新垣里沙、光井愛佳)]
作詞・作曲:つんく Rapアレンジ:U.M.E.D.Y. 編曲:大久保薫
収録盤:モーニング娘。『12,スマート』(2011年10月12日発売)

 歌とラップが交互に出てくるヒップホップ・ソウル的な楽曲はハロプロ内に多数あるが、その中でも本曲は特に高い完成度を誇る。歌部分を当時の娘。のエース格だった田中、そして加入間もない次期エース候補である鞘師の二人が担当というのも熱い編成だが、その脇を固めるラップ部分を1番が新垣、2番が光井と1コーラスごとに変えてくるのも面白い効果が出ていた。Rapアレンジの故U.M.E.D.Y.はハロプロ楽曲のヒップホップ成分を担っていた要人。

■071 もしも…/譜久村聖、嗣永桃子、中島早貴、真野恵里菜、和田彩花
作詞・作曲:つんく 編曲:高橋諭一
収録盤:ハロー! プロジェクト モベキマス『ブスにならない哲学』(2011年11月16日発売)

 2004年の「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!」から7年後にリリースされたハロプロ全員集合シングルが『ブスにならない哲学』。そのカップリング曲であり、モーニング娘。をはじめとした5グループから1人ずつ選抜されたユニット曲。ダンスチューンだった表題曲とは対照的に、セリフパート多めの可愛らしいポップスに仕上がっており、「男性なのに乙女心がわかりすぎている」としばしば評価されるつんく♂のセンスが炸裂している。

■072 初恋サイダー/Buono!
作詞:NOBE 作曲:しほり 編曲:宮永治郎
収録盤:Buono!『初恋サイダー / DEEP MIND』(2012年1月18日発売)

初恋サイダー/Buono!

 ハロプロメンバー多数出演の深夜テレビドラマ『数学♥女子学園』のエンディングテーマというタイアップが付いていた一曲。ロックアイドルとしてのBuono!の明るくポップな側面が非常に良い形で結実している。対バンイベント「ゆび祭り」出場の際に披露して、ハロプロのクオリティを対外にアピール。他グループ曲のカバーが主体であるインディーズアイドル界隈において、本曲が取り上げられる率はかなり高いと言われている。

■073 超HAPPY SONG (シングル Ver.)/Berryz工房×℃-ute
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:Berryz工房×℃-ute『超HAPPY SONG』(2012年6月20日発売)

超HAPPY SONG (シングル Ver.)/Berryz工房×℃-ute

 元々はBerryz工房「Because happiness」、℃-ute「幸せの途中」というアルバム曲としてリリースされていたが、実はこの二曲には同時再生すると一曲に聴こえるという仕掛けが施されていた。ファンによってそのトリックが話題になった後、あらためて合体バージョンがシングルとして発売。ハロプロキッズから生まれた二つのグループが歌うという文脈も込みで、多幸感あふれるエクスクルーシブな楽曲と言える。

■074 One・Two・Three/モーニング娘。
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:モーニング娘。『One・Two・Three / The 摩天楼ショー』(2012年7月4日発売)

One・Two・Three/モーニング娘。

 道重さゆみ・田中れいなの年長2名と、9・10期の後輩8名による10人体制でリリースされた両A面シングルの1曲目。記念すべき50枚目のシングルということもあってか、制作陣の力も入り、素晴らしいクオリティのエレクトリック・ダンスチューンに仕上がっている。このあたりからモーニング娘。再評価の気運が高まってきたように感じられる。昔はファンで一旦離れたがまた出戻った、あるいはこの曲から新規ファンになった……そういう声を聞く機会はかなり多い。

■075 Loving you Too much/Berryz工房
作詞:Apisit Opasimlikit 日本語詞:つんく Rapアレンジ:U.M.E.D.Y. 作曲:Thana Lawasut 編曲:鈴木Daichi秀行
収録盤:Berryz工房『cha cha SING』(2012年7月25日発売)

Loving you Too much/Berryz工房

 タイの人気歌手、バードことトンチャイ・メーキンタイのカバーとしてリリースされたのが「cha cha SING」で、カップリング曲収録された本曲も同様にバードのカバー。お祭りソング的な「cha cha〜」も人気が高いが、よりポップスに近く、日本語ラップパートを追加するなどの創意工夫もあり、MVの出来も良かったということで、LYTMこと本曲はファンの強固な支持を得た。公式主催、およびファン主催の楽曲人気投票どちらもこの曲が1位だったのだ。

■076 ももち! 許してにゃん♡体操/ももち (嗣永桃子 feat. Berryz工房)
作詞・作曲:つんく 編曲:湯浅公一
収録盤:Berryz工房『cha cha SING』(2012年7月25日発売)

ももち! 許してにゃん♡体操/ももち (嗣永桃子 feat. Berryz工房)

 デビュー当初から「嗣永プロ」という異名を誇っていたが、バラエティ番組進出の際には独自の髪型と身振りで「ももち」というキャラを演じるようになり、自身の考えるアイドル像を追求していった嗣永桃子。そんな彼女のキャラクターソング的なソロ曲である。まるで子供番組の体操のお姉さんが歌うような曲調で、ノベルティソングとしての楽しさに満ちている。それにしてもこのシングル、収録3曲とも強度が高くかなり濃い音盤だ。

■077 悲しきヘブン/℃-ute
作詞・作曲:つんく 編曲:板垣祐介
収録盤:℃-ute『会いたい 会いたい 会いたいな』(2012年9月5日発売)

悲しきヘブン/℃-ute

 メジャー19thシングルのカップリング曲。メンバーの鈴木愛理と岡井千聖のみがボーカルで他3人はダンスのみ担当という布陣での一曲だ。曲調自体はストレートなロックサウンドだが、鈴木と岡井のハーモニーが複雑に絡み合う歌メロディがなんといっても聴きどころで、高い歌唱力および二人の息が合わないと実現し得ないものだろう。カップリング曲ながらファン人気が高く、2年後に再録音されあらためてシングルとしてリリースされた。

■078 What’s Up? 愛はどうなのよ〜/モーニング娘。
作詞・作曲:つんく Rapアレンジ:U.M.E.D.Y. 編曲:平田祥一郎
収録盤:モーニング娘。『⑬カラフルキャラクター』(2012年9月12日発売)

 10期メンバー4人(飯窪春菜、石田亜佑美、佐藤優樹、工藤遥)が加入してから初のアルバム『⑬カラフルキャラクター』収録曲。行進曲的ビート、アグレッシブなラップパートなどを組み合わせながら、愛の本質を突いた歌詞が歌われる。こういったストレートなメッセージを10代女子が歌うことの素晴らしさ、それ以上は何もいらないんじゃないかと思わせてくれる一曲だ。アルバム発売前、メンバーの本曲ダンスリハーサル映像がYouTubeにアップされたのも面白い試みだった。

■079 ラララのピピピ/モーニング娘。 [道重さゆみ]
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:モーニング娘。『⑬カラフルキャラクター』(2012年9月12日発売)

 9期メンバーの譜久村聖と、当時娘。のリーダーを務めていた道重さゆみの二人によるテクノポップ調のユニット曲がいくつか続いていたが、サウンド路線はそのままで、道重ソロとして作られたのが本曲だ。〈やっぱ今日もカワイイや 罪な私〉など本人を想起させる当て書き風な歌詞も相まって、彼女の代表曲と言える仕上がりとなった。ライブでは当時ハロプロ研修生の金子りえ&室田瑞希がバックダンサーを担当していたのも忘れがたい。

■080 新・日本のすすめ!/スマイレージ
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:スマイレージ『②スマイルセンセーション』(2013年5月22日発売)

 ハロプロ楽曲では、一曲の中で異なる曲調がメドレーのように切り替わっていくタイプのものがいくつか見られる。そういったラプソディ(狂詩曲)あるいはプログレ的な形式をさらにエスカレートさせたのが、2ndアルバム冒頭を飾る本曲だろう。壮大なオペラ風から始まり、ヘビメタ、ポップ調と様々なサウンドが顔を見せるのが楽しい。その際、メンバーの田村芽実の迫力ある歌い上げボーカルがキーポイントとなっている。

■081 わがまま 気のまま 愛のジョーク/モーニング娘。
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:モーニング娘。『わがまま 気のまま 愛のジョーク / 愛の軍団』(2013年8月28日発売)

わがまま 気のまま 愛のジョーク/モーニング娘。

 50枚目の『One・Two・Three』以降、娘。のシングルはEDMサウンド、そして大人数メンバーによる一糸乱れぬフォーメーションダンスが売り文句となり、5作連続週間チャート1位を記録するなど、再ブレイクを印象づけた。この曲では、イモ欽トリオ「ハイスクールララバイ」をオマージュした平手打ちの振り付け、サビの〈愛されたい!愛さーれたい!〉をファンも一緒に叫ぶところが特徴。この時期のシングル曲はどれも独自のポップネスが爆発している。

■082 ロマンスの途中/Juice=Juice
作詞・作曲:つんく 編曲:鈴木俊介
収録盤:Juice=Juice『ロマンスの途中 / 私が言う前に抱きしめなきゃね (MEMORIAL EDIT) / 五月雨美女がさ乱れる (MEMORIAL EDIT)』(2013年9月11日発売)

ロマンスの途中/Juice=Juice

 2013年2月にグループ結成、その半年後にリリースされたメジャーデビュー曲。いわゆる「赤羽橋ファンク」とも呼ばれる、ソウル・ファンク・ディスコといった要素を軸にしたハロプロ王道サウンド。こういったタイプの楽曲を多数編曲している鈴木俊介の堅実な仕事ぶり、笹本安詞のチョッパーベースなどが光っている。次作シングル「イジワルしないで 抱きしめてよ」の評判も良く、J=Jはハロプロ内の実力派グループとしての地位を確立していく。

■083 おへその国からこんにちは/ハロプロ研修生
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:ハロプロ研修生『おへその国からこんにちは/天まで登れ!』(2013年12月20日発売)※DVDシングル

 「彼女になりたいっ!!!」「天まで登れ!」に続くハロプロ研修生オリジナル曲第3弾。当初はDVDシングルとしてリリースされたが後にCD化。「彼女になりたいっ!!!」の歌詞も相当ブッ飛んでいたが、本曲もそれに輪をかけた振り切れ具合。ライブやMVでは30人前後の大人数によるユニゾン主体でのパフォーマンスとなるのが、他のハロプログループとはかなり印象が異なる。MVを今見返すと、現正規メンバーの昔の姿を確認できるのが懐かしい。

■084 時空を超え 宇宙を超え/モーニング娘。’14
作詞・作曲:つんく 編曲:大久保薫
収録盤:モーニング娘。’14『時空を超え 宇宙を超え / Password is 0』(2014年4月16日発売)

時空を超え 宇宙を超え/モーニング娘。’14

 auのCMソングという大型タイアップが付いていた「Password is 0」との両A面シングル。ポップで勢いのあるアッパーなEDMチューンだった「Password〜」とは対照的に、本曲はピアノやストリングスをサンプリングして刻んだポスト・クラシカル的なサウンド。スピリチュアルな歌詞とも相まって、まるで涅槃で鳴っているようなディープな曲調が美しい。2年後にリリースのシングル曲「The Vision」は本曲の発展型とも言える。

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