松下優也、古舘佑太郎、白濱亜嵐……2017年に飛躍を見せた20代アーティスト俳優たち
年の瀬も迫り、2017年のドラマ/映画ランキングや今年の顔となる役者を決める企画といった総括記事を目にする機会も増えた。その中でも2016年に放送されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』から引き続き、『コウノドリ』(TBS系)シーズン2への出演や、『連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~』(WOWOW)の主演と、星野源の役者としての活躍が目覚ましい。そのほかにも、『100万円の女たち』(テレビ東京)の主演を務めた野田洋次郎(RAWIMPS)、『ひよっこ』(NHK総合)の峯田和伸(銀杏BOYZ)、さらにハリウッド映画『キングコング:髑髏島の巨神』のMIYAVIなど、アーティスト兼俳優の存在は今のテレビ業界/映画業界において大きな存在感を放っている。
そんな中、2017年も次世代を担う20代のアーティストが登場した印象が強い。まず名前を挙げたいのが、DISH//の北村匠海だ。もともと『太陽と海の教室』(フジテレビ系)、映画『重力ピエロ』、『DIVE!!』など、役者としての経験を積んできた北村だが、2017年はさらなる飛躍を遂げた年だと言える。浜辺美波とのW主演作『君の膵臓をたべたい』では内省的な青年が成長していく様を見事に演じ切り、さらに『恋と嘘』ではヒロインを献身的に支える素朴な同級生、そして現在公開中の『勝手にふるえてろ』ではヒロインの片思い相手であるイチを好演。爽やかで純粋なイメージを纏いながらも、どこか底がよめないミステリアスさを孕んだキャラクターは、どの作品でも大きな存在感を放っている。
峯田和伸、シシド・カフカらが出演した『ひよっこ』で注目を集めたのが、The SALOVERSとして2015年まで活動し、2017年から2(ツー)というバンドをスタートさせた古舘佑太郎。『ひよっこ』では、和菓子店「柏木堂」の長男・ヤスハル役で出演し、登場時にはTwitterでトレンド入りを果たすなど、いじられキャラという役どころで爪痕を残した。中でも哀愁を醸しながらフォークギターを弾く姿がどこか愛らしく、その味のある演技は次世代を担うミュージシャン俳優としての期待値も高い。2018年はミュージカル映画『とってもゴースト』への出演も決定。出演作品がまだ多くないこともあり、俳優としてのポテンシャルはまだまだ未知数。そこを含めた上で、次作で見せる演技にも注目が集まるのは間違いないだろう。
また、2017年はLDHに所属する若手アーティストが俳優としても頭角を現していた印象だ。LDHアーティストが集結する『HiGH&LOW』シリーズはもちろん、映画『ひるなかの流星』に出演した白濱亜嵐や、『兄に愛されすぎて困ってます』に出演した片寄涼太など、個々としての俳優活動も増えている。
白濱はもともと劇団EXILEとして芸能キャリアをスタートし、GENERATIONSへ加入したメンバー。役者活動においてはドラマ『ろくでなしBLUES』、『GTO』、『シュガーレス』、『HiGH&LOW』シリーズなどへの出演を経験した後、今年5月に公開された『ひるなかの流星』ではヒロインを巡って三角関係になっていく同級生の馬村大輝を演じている。筋肉量を減らすなど、原作キャラクターへと近づくためにストイックな役作りを行った白濱。感情があまり表にでない役柄を演じる難しさもあっただろうが、見事に白濱なりのアプローチで馬村大輝というキャラを演じきっていた。
一方の片寄涼太は、ドラマ『GTO』への出演のみという少ない役者キャリアの中で、『兄に愛されすぎて困ってます』の主要キャラをドラマで演じ、映画初出演となった。片寄が演じたのは、血のつながらない妹を溺愛するヤンキー系の兄・橘はるか。当時、片寄は自身の演技経験の無さに危機感を覚え、クランクインの1カ月前から監督と演技の指導を重ねたという。自身の弱さを見つめ着実に努力する姿勢は、俳優としての伸びしろを感じさせる。また、演技経験の少なさを強みと捉えて常にまっさらな状態で役に挑めるのは、俳優としての強みとも言えるだろう。GENERATIONSとして、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している白濱と片寄。2017年は役者としての新しい扉を開けたと言えるふたりが、今後どのようの役へと挑戦していくのか。1月1日にはベストアルバム『BEST GENERATION』の発売が控えているが、俳優としての次回作にも大きな期待が寄せられている。