Google Homeはリスニング環境に新時代をもたらすか 音楽・動画再生の使用感を検証

Google Homeは新時代をもたらすか

 10月6日から国内で発売を開始したスマートスピーカー・Google Home。呼びかけると天気や交通情報、近隣の店舗情報、最新ニュースなどを教えてくれるほか、テレビや照明などの対応家電と連携して音声で操作することができる。IRKitというWiFi機能の付いた赤外線リモコンデバイスを使えば、Google Homeをリモコン代わりにして赤外線で操作できるあらゆる家電にも対応可能だ。Amazon Echoの年内発売も予定されており、スマートスピーカーは今後、エンタメ・音楽領域でも欠かせない存在となりそうだ。リアルサウンド編集部ではGoogle Homeを購入し、実際に利用してみた。本記事では音楽に関する機能に着目してレビューしていきたい。

音楽再生

 まず、音声認識をスタートするには「OK,Google」と呼びかけなくてはならない。Google Homeが連携できる音楽サービスは、Google Play Music、Spotify、うたパス。国内でユーザーの多いApple Musicに非対応なのは残念だが、今回編集部ではSpotifyと連携させ、様々な条件を提示してみた。例えば星野源「恋」を再生するために「『恋』を流して」と曲名だけを話しかけると、「お役に立つことができません」と回答されてしまう。また「The Beatlesの『Let It Be』を流して」と呼びかけると、曲ではなくアルバム『Let It Be』が再生。アルバム名と曲名が同一タイトルの場合、曲を流したいときには「The Beatlesの『Let It Be』の曲を流して」と話しかける必要があり、現時点では、「アーティスト名」「曲名」、アルバムなのか曲なのか、までを正確に条件として指定しなければならないようだ。また「音量を最大にして」には対応できなかったが、「音量を2つあげて」など具体的な指示にはきちんと対応してくれた。

 さらに気分に合わせた音楽を流せる機能があるとのことだったので「リラックスできる音楽を流して」と呼びかけたところ、鳥のさえずりが再生された。どれも間違いではないが、少し惜しい、という印象。「激しい音楽」「寝る前に聴きたい音楽」では対応したプレイリストから曲を再生してくれたが、マッチングの精度は高くなかった。しかし総じて音声認識能力は非常に高く、日本人ならではのカタカナ英語もきちんと聞き取ってくれた。また音質は比較的良く、Google アシスタントの音声も滑らかだった。ちなみにショートカット機能を活用すれば、「カラオケの練習」と言うだけでSpotifyからJ-POPのプレイリストを再生する、など特定の動作を指定できるようになる。

動画再生

 Google Homeでは、PCやテレビとChromecast等を通して連携してYouTubeの動画も再生できる。気をつけなくてはいけないのは、「ミュージックビデオ」「動画」ときちんと指定しないとSpotifyなど連携したサービスから音楽を流してしまうということ。ちなみにYouTubeの動画とSpotifyは同時再生できる。Spotify同様、様々な条件で話しかけたところ、「欅坂46の最新のミュージックビデオ」では「不協和音」を、「新しいミュージックビデオ」では西野カナ「Dear Bride」、「J-POPの新しいミュージックビデオ」では星野源「恋」を再生。「不協和音」は「最新の」よりも「欅坂46の」という言葉により強く反応したようで、後の2つは「J-POP最新ミュージックビデオ」などといったチャンネル名がヒットしたようだ。全体的に公式チャンネルよりも非公式な“まとめ”系チャンネルがヒットする傾向が見られた。

 また「(ファレル・ウィリアムスの)『Happy』のミュージックビデオを流して」「(星野源の)『恋』のミュージックビデオを流して」と曲名だけを指定すると、「Happy」の場合はタイトルに「Happy」が入ったカフェ音楽集を、「恋」の場合は初音ミク「恋のミュージックアワー」のMVを再生するという結果となった。やはりSpotify同様、細かく条件を提示しないとならないようだ。一方で「再生回数の多い」「池田エライザが出演している」といった条件の場合、前者ではAKB48「ヘビーローテーション」、後者ではglobe「FACE」(池田エライザ主演)の動画を再生してくれた。

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