Dream Theater『Images And Words』は奇跡の1枚だった 現在と原点を見せた日本武道館公演

Dream Theater『Images And Words』は奇跡の1枚だった 現在と原点を見せた日本武道館公演


 ライブ開始からすでに2時間半を超えていたものの、オーディエンスはアンコールを求める声援をハンドクラップを続ける。するとステージに戻ったDream Theaterのメンバーは、最後の最後に20分超の組曲「A Change Of Seasons」をプレゼント。この曲のリリース自体は1995年だが、思えば『Images And Words』制作時には存在した楽曲で、同作への収録も検討されたという。そういう意味では、この日のラストにふさわしい1曲ではないだろうか(そもそも、この組曲を“1曲”と呼んでしまっていいものか疑問ではあるが)。長尺のこの曲では音を詰め込むというよりも、音の“隙間”が要所要所に用意されており、それが20分以上にわたるこの曲をよりダイナミックなものへと進化させている。また、『Images And Words』の楽曲群が当時のサウンドプロダクションのせいもあって非常に原色っぽいのに対し、「A Change Of Seasons」はどこかパステル調の印象が強い。こうした違いを楽しめたのも、この日の大きな収穫だった。

 3時間にもおよぶこの日のライブを終え改めて感じたことは、“メタル冬の時代”到来時にリリースされた『Images And Words』というアルバムの凄味と、このアルバムを分岐点にDream Theaterというバンドの個性が新たに確立されていったという事実だろう。先に『Images And Words』と「A Change Of Seasons」の違いについても触れたが、Dream Theaterは『Images And Words』を完成させたのちに、そのサウンドをよりダークでヘヴィな方向へとシフトさせている。これは時代性が大きく関係していると思われるが、そういった意味でも『Images And Words』は“メタル冬の時代”前夜に制作されたからこその奇跡の1枚だったのではないか……それが先に述べた“異色作”という表現につながるのだ。

 現在のスタイルを凝縮した第1部、そしてバンドの原点を現在のスタイルで表現した第2部とアンコールで構成された久しぶりの武道館公演。Dream Theaterというバンドは個性的で他のどのバンドにも似ていない唯一無二の存在なんだとつくづく感じた、そんな一夜だった。

(文=西廣智一/写真=Masayuki Noda)

■Dream Theater『IMAGES, WORDS & BEYOND 25th Anniversary Tour』
2017年9月11日 日本武道館公演セットリスト
<第1部>
01. The Dark Eternal Night
02. The Bigger Picture
03. Hell’s Kitchen
04. The Gift Of Music
05. Our New World
06. As I Am
07. Breaking All Illusions
<第2部>
08. Pull Me Under
09. Another Day
10. Take The Time
11. Surrounded
12. Metropolis Part I: The Miracle And The Sleeper
13. Under A Glass Moon
14. Wait For Sleep
15. Learning To Live
<アンコール>
16. A Change Of Seasons

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