『TIF』は“夢が叶えられる場所”としてどのように発展する? 過去最多8万人超え動員の3日間を経て

『TIF』は”アイドルの夢が叶えられる場所“だ

 さらに、毎年恒例となっている「TIFメインステージ争奪LIVE」も別ベクトルにおいての「応援」といえる。今年は、『この指と〜まれ!』にもいち早く出演していた26時のマスカレイドが優勝し、私立恵比寿中学やHKT48と同じHOT STAGEに立った。過去には、アイドルネッサンスやまねきケチャなどが優勝してきた「TIFメインステージ争奪LIVE」。『TIF』開催前の26時のマスカレイドの注目度は相当のものであったが、同じく今年の台風の目と言われていたのがTask have Funだった。いくつかのステージでパフォーマンスを観たが、動員数、盛り上がり共に申し分ない。大阪☆春夏秋冬など、毎年“見つかったアイドル”と『TIF』開催後にブレイクしたアイドルにはそう名づけられるが、“見つかっているアイドル”と呼びたくなるような、そんな勢いを感じた。それは、『TIF』に出演するグループがより洗練されてきた証左とも言える。

 また、『TIF』のステージは勝ち上がりレースの面もあるのだと強く感じたのは今年が初めてだった。それは、HEAT GARAGEで絶対直球女子!プレイボールズを観ていた時のこと。木原美空が涙ながらに「来年、HOT STAGEに絶対に立ちます」と宣言していたのが忘れられない。無料ステージであり『TIF』の象徴でもある、SMILE GARDENの大トリを務めたアイドルネッサンスの新井乃亜は、「この『TOKYO IDOL FESTIVAL』というのは、アイドル、そして応援してくださる全てのみなさんの夢が叶えられる、近づける場所だと思っています」と優しく、真摯に目の前に広がるファンに語りかけていた。彼女たちにとってSMILE GARDENは、4年前に短い時間の中で1曲だけ披露したステージ。一昨年、「TIFメインステージ争奪LIVE」で優勝し、昨年はFESTIVAL STAGEの大トリ、そして今年はSMILE GARDENの大トリと着実に任されるステージの重みは増していった。彼女の言う通りに、『TIF』は夢が叶えられる場所だ。

 「応援」をコンセプトに開催された今年の『TIF』。菊竹氏に話を聞いた際、印象的なセリフがあった。それが「『TIF』は、東京オリンピックが開催される2020年を目標にしている」ということ。お台場海浜公園をはじめとしたお台場一帯は、オリンピックの競技会場として世界中から注目が集まる。例年に増して、すでに今年の『TIF』は女性客の他に外国からの参加者が多かったのも事実だ。ただし、前年の2019年からお台場の土地の多くが使用できなくなる。SMILE GARDENは、恐らくそれに当てはまるのだろう。昨年、船の科学館を舞台にしたSHIP STAGEは2020年に向けたトライアルだったという。動員数を増やし、世界最大のアイドルフェス、そして夢が叶えられる場所であり続ける『TIF』は、3年後に向けてどのような形に成長していくのだろうか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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