フジロック、今年注目の洋楽アクトは? 新進気鋭からレジェンドまで出演者徹底解説!
7月30日
<Green Stage>
BJÖRK
4年ぶり4回目のフジロックとなるビョーク。間違いなくフジロックの長い歴史を代表するアーティストですが、それだけのベテランなのに未だ先鋭的で最先端のイメージを保っているのは大したものです。最新アルバムは『Vulnicura』(2015)ですが、ライブごとに常に斬新なアイデアを取り入れ音楽も演出もセットも、もちろん衣装もアップデートしてきただけに、他国でさんざんやってきたショーをそのまま踏襲するだけ、なんてことはありえず、もはやどんなショーになるか見当もつきません。ビョークはフジロックを自分のキャリアの重要な節目と考えているフシもあり、去年の日本科学未来館のイベントでも披露したVR技術を駆使した演出ながら、世界中どこでもやっていないような凄まじい内容になるはず。前日DJセットで出演しているアルカ(『Vulnicura』のプロデューサー)やジェシー・カンダが絡むことを期待しましょう。
Lorde
2014年のフジロックではレッド・マーキーのヘッドライナーだったロードが、グリーンのセミ・ファイナルとして戻ってきました。Fun.のジャック・アントノフをプロデューサーに迎えた大傑作セカンド・アルバム『Melodrama』を携えての堂々たる帰還です。同作は失恋をきっかけに作られたアルバムですが、自らの内面に正面から向き合うことで表現者として大きく成長した姿を見せてくれるはず。既に各大型フェスで歌われ、アンセムとして大合唱が起こるダンス・ナンバー「Green Light」を始め、ライブ向けの楽曲も多く、この大抜擢に応えるような盛り上がりを見せてくれるでしょう。まだ芳紀19歳。その末恐ろしいまでの将来性と大器ぶりを目撃しましょう。
Jet
オーストラリア出身のガレージ・ロックンロールの暴れん坊、ジェットが5年前の解散から復活し、8年ぶりにフジロック帰還を果たします。大ヒット「Are You Gonna Be My Girl」はCMソングに使われたこともあり、お茶の間レベルで浸透してることでしょう。骨太なロックンロールのマジックを期待します。
Lukas Graham
デンマーク出身。昨年リリースされたセカンド・アルバム『Lucas Graham』からシングル・カットされた「7 Years」が全英チャート5週連続1位、全米チャート2位の特大ヒットになって、グラミー賞にもノミネートされるなど大ブレイクしました。「7 Years」ばかりが突出して知られていますが、ヒップホップやソウル、ファンクなどをベースにした自然体のバンド・サウンドと、メランコリックでポップなメロディは、日本人にも馴染みやすそうです。
Ron Sexmith
1986年に22歳で自主制作のカセットをリリース、95年にメジャー・デビューして、はや22年目。53歳となったロン・セクスミスは、今年になって通算16枚目のソロ・アルバム『The Last Rider』をリリースしました。バンド・サウンドを前面に出しながらも、よりパーソナルな親密感を増した新作は、いかにも彼らしい佳作でした。朝一番のグリーン・ステージに気持ちのいい風を吹き込んでくれるでしょう。
<White Stage>
Major Lazer
紛れもない世界NO.1のダンス・ミュージックのプロデューサーの1人、ディプロのプロジェクト。スウィッチとのコンビで始まった時はどこまで本気かと思っていましたが、いつのまにやらダンスホールやエレクトロ・レゲエをベースにしながらも、EDM時代に対応したポップでキャッチーでエキゾティックなダンス・トラックを連発して、時代を象徴する存在に。リリース数もヒット曲もやたら多く、しかも派手な演出や仕掛けが盛りだくさん、アゲてアゲてアゲまくるDJスキルも超一流ということで、3日間の最終日トリに相応しいお祭り騒ぎになることは必至です。
ÁSGEIR
アイスランド出身のアウスゲイル。世界的な大ヒットを記録したファースト・アルバム『Dýrð í dauðaþögn』(英語版は『In the Silence』)に続くセカンド・アルバム『Afterglow』を携えての3年ぶりのフジロック帰還です。アイスランドという土地柄のもたらす空気感を閉じ込めたような、シンプルで音数が少ないアコースティックなアンサンブルを提示したファーストから、エレクトロニックR&Bの要素を大きく強めて、前作とは比較にならないほど豊かに、深く、多様で、奥行きのあるものになったセカンドへ。天性の声の魅力と卓抜した作曲能力で、現代を代表するシンガー・ソングライターへと大きく成長した彼の姿を確認しましょう。
Bonobo
今年リリースされた『Migration』の大ヒットで、いまやUKエレクトロニカを代表するアーティストとなったボノボ。センスの塊のようなサウンドの完成度の高さもさることながら、日本の引きこもりを題材に、全編ワンカットで撮影された驚異のPV「No Reason」も大きな話題になりました。これまでDJセットでの来日はありましたが、今回はついにバンド・セットでの登場です。ホーン・セクションを加えた厚みのあるアンサンブルとオーガニックなグルーヴは祭りの最終日を見事に彩ってくれるはず。
Real Estate
米インディ・ロックの中堅選手が、4枚目のアルバム『In Mind』と共にフジロックに初登場。メロディアスでリラックスしたソフト・ロック~ギター・ポップ~サイケ・ポップの5人組です。メンバー・チェンジ後の初来日となりますが、持ち前のゆったりとした、風が流れるような爽やかなサウンドは、誰にでも受けいられるものでしょう。夏の昼下がりに最適なチル・アウト・ロック。