フジロック、今年注目の洋楽アクトは? 新進気鋭からレジェンドまで出演者徹底解説!
<Red Marquee>
Sampha
The xxやSBTRKT、フランク・オーシャン、カニエ・ウエストなどへの客演で注目を集めたサウスロンドン出身のシンガー・ソングライター、サンファ。今年になってファースト・アルバム『PROCESS』をリリースしたばかりですが、サンファ自ら弾くピアノを中心とした研ぎ澄まされた静謐でミニマルな音像と、中性的な艶やかさをたたえたサンファのエモーショナルな歌声が圧倒的に魅力的な大傑作でした。昨年末のThe xxの来日公演での前座が日本初お目見えでしたが、満を持してのフジロックで、美しく濃厚な現代のソウル・ミュージックの精髄を聴かせてくれるはずです。絶対見逃せません。
Gallant
ワシントン出身、LA在住のR&Bシンガー・ソングライター、クリストファー・ギャラント。昨年ファースト・アルバム『Ology』を発表したばかりの若手ですが、その艶やかでしっとりと濡れたようなファルセット・ボイスが最大の魅力。さらにフランク・オーシャンに通じるディープで洗練された楽曲も素晴らしい。ライブでのしなやかで色気のある動きもいいですね。甘いルックスも含め大物感あり。ぜひその姿をナマで確認しておきたいところです。
Eden
アイルランドのダブリン出身のエデンことジョナサン・ウン。弱冠23歳、まだEPを2枚出しただけの新進気鋭のシンガー・ソングライターですが、ハスキーな声に魅力があり、内省的で静謐だが狂おしい情熱を秘めたトラック作りにもセンスを感じます。エデン~ギャラント~サンファというこの日のレッド・マーキーの並びは目が離せません。
<PLANET GROOVE>
ARCA DJ & JESSE KANDA AV
今年リリースされたサード・アルバム『Arca』の凄まじい出来に世界中が震撼する中、アルカがDJセットでフジに登場です。深夜のダンス・フロアを意識したDJセットとはいえ、彼のPVを一手に引き受ける映像作家ジェシー・カンダがVJを務めるだけに、とんでもなくヤバい内容になりそうな予感。PVを見て、妄想を逞しくしながら待ちましょう。アルカはビョークの『Vulnicura』のプロデュースでも名を挙げましたが、果たして今回、ビョークとの共演はあるんでしょうか。
Evian Christ
エヴィアン・クライストはUKのDJ/プロデューサー。カニエ・ウエストの『Yeezus』のプロデューサーとして名を連ねて一躍注目されました。凍てつくようなノイジーでダークでアンビエントなダブステップ~ドローン・エレクトロニカを得意としています。これまで3枚のEPをリリースしていますが、近々英テクノの名門<WARP>レーベルよりデビューする模様。
Clark
今や<WARP>の、というよりはUKテクノを代表する存在となったクラークことクリス・クラーク。オウテカやエイフェックス・ツインのあとを襲うアンビエント・エレクトロニカでスタートして、ダンサブルなハード・テクノ、変則的なエレクトロニカと音楽性の幅を広げ、サントラや舞台音楽なども手がける屈指の多作家でもあります。4年ぶりの新作『Death Peak』を引っさげての深夜興行は狂乱の盛り上がり必至でしょう。
<Field of Heaven>
RHYE
4年前のフジロック・レッド・マーキーで、そのミステリアスで官能的な歌声と、優雅でエレガントなエレクトロニック・サウンドの美しさを存分に見せつけたライ。今度はフィールド・オブ・へブンのトリとして登場です。先ごろ、新曲「Please」が突如発表になり、2013年のファースト・アルバム『Woman』以来の新作もそろそろと期待される中のフジ出演。新しい彼らの姿がたっぷりと聴けそうです。
Father John Misty
米メリーランド出身のシンガー・ソングライター。今年春に発表したサード・アルバム『Pure Comedy』を引っさげての初のフジロック出演です。本名のジョン・ティルマン名義から数えると15年近いキャリアを持ち、フリート・フォクシーズのドラマーとして活動していた時代もある苦労人。アメリカの伝統的なポップ・ミュージックに根ざした美しく端正な歌をうたいます。ジャクソン・ブラウンにちょっと似た感じの声がとても魅力的で、70年代のシンガー・ソングライター全盛期をちょっと思い起こさせます。