菅田将暉、ソロデビュー曲「見たこともない景色」で見せる“泥臭さ” 素の自分で勝負するシンガーへ
菅田将暉が、本日6月2日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にソロとして初出演する。
これまで俳優として様々な役柄に挑戦してきた菅田。デビューシングル『見たこともない景色』のジャケットやアーティスト写真では、ギターを抱えてヴィンテージ風のジャケットを着用するなど、ロック界のレジェンドであるチャック・ベリーを意識しているそうで、ジャケット写真の立ち姿はエルヴィス・コステロの『My Aim Is True』も思い起こさせる。普段の軽妙な雰囲気とは異なる、どこかノスタルジックな印象を受けるアートワークである。今夜番組で披露する「見たこともない景色」のMVではバンドとともに“ロックスター”のように演奏し、力強くも優しいボーカルで魅了。対して、カップリング曲「ばかになっちゃったのかな」では<今すぐに会いたいのに/理由探しちゃってバカみたい>とストレートな思いを切実に語りかけるように歌っている。そんな歌詞に合わせるようにMVでは友人と馴染みの古着屋に足を運ぶなど、等身大の笑顔を見せている。両曲で見せるギャップが“カメレオン俳優”と呼ばれる菅田らしい。
菅田は過去にインタビューで「見たこともない景色」について、「音楽プロデューサーさんとお話した際に疾走感があってクリアな、男性だけでなく女性にも受け入れてもらえる気持ちいいものにして欲しい、というリクエストをしました」と答えていた。(参考:http://fashionpost.jp/portraits/91739)たしかに同楽曲は王道のロックらしい疾走感があり、サウンドもクリアだ。しかしMVで全力で走り抜ける菅田の姿からも分かるように、どことなく“泥臭さ”のようなものも感じる。
菅田はこれまでもトーク番組などでギターを手に、吉田拓郎「人生を語らず」や、さだまさし「亭主関白」といった名曲を度々歌唱していた。菅田の年齢を考えると、なかなか渋い選曲と言えるだろう。また映画『何者』では忘れらんねえよが提供した楽曲を歌っていたのも記憶に新しいが、実は以前から彼らのライブに足を運ぶなど、もともと熱心なリスナーであったようだ。さらに『音楽と人』では「『花瓶の花』は、僕がこの世で一番大好きなラブソングです」とコメントし、石崎ひゅーいと対談を行なっていた。こうした事実から彼が“泥臭い”ロックンロールを好んでいることが窺える。本人も「泥臭くていい格好悪くていい、君の景色を見ればいい。霧が晴れていき、お日様に照らされ、なんだかあったかい」と発言しているように、「見たこともない景色」は広いリスナーに聴かれたいという思いと、自身の音楽的嗜好が反映された楽曲なのだ。