Dragon Ash、OKAMOTO’S、モールル、神僕……新作の“歌詞”にこめられたメッセージを読む

神様、僕は気づいてしまった『CQCQ』

 2016年11月に始動。ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)の主題歌(「CQCQ」)に抜擢されたことで急激に注目度を上げている神様、僕は気づいてしまったの1stシングル『CQCQ』。メンバーの名前以外のプロフィールはほぼ不明、謎のベールに包まれている彼らだが、楽曲のクオリティの高さは完全に新人離れしている。聴く者を飽きさせないフックを散りばめたアレンジメント、突き抜けるような鋭さと切実な情感を合わせ持ったボーカルにも惹きつけられるが、もっとも鮮烈なのはやはり歌詞。他者との関係、自意識の強さに苛まれつつ、それでも救いの光を求めようとする人間の姿をリリカルに描き出すこのバンドの歌詞は、いわゆるメンヘラ的な世界観を持ちつつも、決して自己憐憫に陥らない客観性とファンタジックな雰囲気の言葉選びによって、幅広い層のリスナーがすんなり入り込める間口の広さを備えている。まさに“売れる歌”を書ける逸材だと思う。

神様、僕は気づいてしまった - CQCQ

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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