CANDY GO!GO!が掲げる、“ガールズロックアイドルユニット”のビジョン「胸張ってロックフェスへ!」
「渋谷系ガールズロックアイドルユニット」をコンセプトに活動するCANDY GO!GO!が<インペリアルレコード>に移籍後初となるアルバム『IDOROCK』をリリースした。今年で結成から7年が経とうとしている彼女たち。2014年に恵比寿LIQUIDROOM、翌年に赤坂BLITZでのワンマンライブを成功させ、インディーズからメジャーデビューへと着実に階段を登り続けている。話を聞くと、時にはリリースイベントにお客さんが数人しか来ない、メンバーが次々と辞めていくといった、心が折れるような出来事もあったという。しかし、彼女たちは強い。インタビューの中で、7人にはアルバム制作についてはもちろん、これまでのアイドル活動を赤裸々に振り返ってもらった。月に30本以上、昨年は384本ものライブを行ってきたという強靭な精神力を持つ彼女たち。そんなCANDY GO!GO!が掲げる、2017年のグループビジョンとは。(渡辺彰浩)
「CDが売れないという状況が一番キツかった」(佐伯)
ーー昨年の1月にシングル『overdrive / 大切なお知らせ』でメジャーデビューしてから1年が経ちましたが、インディーズからメジャーへと場所を移し、グループの環境は変わりましたか?
関根ゆみ(以下、関根):2016年は2度目の『ライブB♪』(TBS系)に出演させてもらったり、ラジオのレギュラー番組『CANDY GO!GO! のGO!GO!RADIO』(FM FUJI)がスタートしたりと、メディアへの露出が増えましたね。今まで以上に観てくれるお客さんも増えた分、アイドル枠だけではなくアーティストの方面からも見てもらえるように頑張らなきゃいけないなと感じます。
なぎさりん(以下、なぎさ):メジャーデビューしたら、お客さんからの見られ方も「メジャーのアイドルを見る目」なんですよ。「メジャーだからパフォーマンスが違うよね」「メジャーだから歌がいいよね」と理由づけをしてくれるというか。月に30本以上ライブをしている中で1本も手を抜けるライブなんてなくて、一つひとつのライブが勝負なんだと改めて気が引き締まりました。
ーー月に30本というライブの本数には驚きです……。新しいファンの方も増えましたか?
なぎさ:『overdrive / 大切なお知らせ』がオリコンシングルウィークリーチャート8位にランクインしたというニュースで、私たちを知ってライブに来てくれた方がいました。あとは、メジャーになったことで発言を気にかけるようになりましたね。いただく仕事も、Twitterを見ていただいたことがきっかけになっているケースも少なくなくて、「すごいこと書いてますね」と一度引かれたことがあったり。誰が見ているか分からないなあと(笑)。
磯野未来(以下、磯野):まだ変わらず、すごいこと書いている気がするけど……(笑)。
なぎさ:今までは客観的に見て「これは引くな」と「ドン引きだ」の2つだったんですけど、ドン引きだなと思うことは書かなくなりました。ファンの人だけではなく、いろんな方も見ているので、グループのセンターとしてこれではいけないと。周りの見る目が変わって発言にも責任感が強くなりました。
菜月アイル(以下、菜月):なぎさのTwitterがきっかけでライブに来てくれる人もいるもんね。
ーーCANDY GO!GO!は結成から5年余りでメジャーデビューと、言わばアイドルグループとしては遅咲きの方でもあるわけですが、これまでに心が折れそうになった時もありましたか?
高城しおり(以下、高城):メンバーの脱退と加入が続いた時は大変でした。
磯野:0の状態から新しいメンバーと頑張って、1になったと思ったらまた0に戻る。そういうことが続いた時期があったので、私たちもスタッフも悩んでいたことがありましたね。
佐伯かな(以下、佐伯):メンバーの脱退もありますが、CDが売れないという状況が一番きつくて。2013年にミニアルバム『飴界隈』をリリースした時、マルイシティ渋谷(現在の渋谷モディ)のイベントスペースでイベントを開催しても、お客さんが10人くらいしか来なかったことがあって。今はCDを売りたい、メディアに出たい、ライブがしたいと意欲的に活動していますが、当時は「ライブアイドルです」と謳ってライブに専念していたんです。1枚CDを出してはレーベルが変わり、自主制作のCDも200枚捌けないということが続いて、「CANDY GO! GO!はお客さんが呼べないから、次からは使わせてあげることができない」という場所もありました。
なぎさ:自分たちの頑張りをスタッフさんが認めてくれていても、結果として出せないと生き残っていけない世界だというのが分かりました。
佐伯:いくら頑張ってもそれが動員に繋がらなかったのが辛かったですね。ただ、出演を断られた会場のリベンジが昨年末に出来たんです。昼、夜で2回やらせてもらって、お客さんも満員になって、CDも全て完売して。私たちにとっての大きな出来事でした。
ーーそれは嬉しいですね。みなさんにとってファンはどういった存在ですか?
菜月:メンバーみたいな感覚があります。同じ目線でメンバーを見てくれるし、「これはこうした方がいいよね」といったアドバイスをもらえる相手。グループは7人ですけど8人目がキャンディスト(ファンの呼称)みたいなものですね。
宍戸桃子(以下、宍戸):CANDYを当初から知っているファンの方は簡単には見捨てないというか。グループを思ってくれている人も多いので、ずっと長くやってきたことは誇るべきことなんだと思います。
磯野:ファンのみなさんがいることでステージに立てている、というのはすごく感じます。
ーーみなさんしっかりとしたマインドをお持ちですけど、そもそもアイドルを目指したきっかけは?
なぎさ:ほかの人ができないような人生経験をしたいと思って入ったんです。アイドルはチヤホヤされるものだと思ってたんですけど、入ってみたら超過酷な軍隊レベルでした。お客さんを1人ファンにするのにどれだけ大変かというのが分かってからは、本気にならない限りファンの人がつかないまま終わってしまうと思い、まずは社会人と同じ3年から始めてみようと思ったんです。実際3年やってみて、一度挫折しそうになったんですよ。でも、そこから続けててよかったなと思ってます。アイドルはメンタルが強くないとやっていけない。
宍戸:入った時に同時加入した子がほかに2人いて、その中で私が一番ダンスも歌も出来なかったんですよ。自分が出来ないことが悔しかったし、2人に負けたくない気持ちがあったので努力するようになったら認めてくれる人も増えて、ファンの人もついてきてくれました。努力したら努力した分返ってくるのでそこにやりがいがあるなと思います。チヤホヤされるのが楽しくてやっているというよりかは「今が人生の中で一番頑張ってるな」と思える、そういうところにやりがいを感じますね。今までCANDYほど頑張れたことは何もなかった。こんなに怒ったり、泣いたり、悔しくなれることはなかったので、それがやりがいなのかなと思います。