>  > H ZETTRIOに訊く、ジャンルを凌駕する活動

『PIANO CRAZE』リリースインタビュー

リオ五輪閉会式での楽曲起用も話題 H ZETTRIOの“ジャンルを凌駕する”活動論をメンバーに訊く

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 毎月のようにシングルを配信でリリースし続けてその末にアルバム、という方法が、昨年のアルバム『Beautiful Flight』から定着したようだ。9月7日リリースのH ZETTRIOのニューアルバム『PIANO CRAZE』は、今年になってから月イチペースでリリースしてきた配信シングル8曲に未発表音源をプラス、そしてPE’Z「晴天-Hale Sola-」のカバー(っていうんだろうか、こういう場合)も収録、さらに「“DYNAMIC FLIGHT盤”」と「“EXCITING FLIGHT盤”」2種類でボーナストラックが違う全13曲。ジャズにしては、というかそれ以前にインストゥルメンタルにしては異様に敷居が低く間口が広い、というのは以前からだし、関連ありそうだけど別人のバンドである(と書くルール)PE’Zなどもそうだが、その敷居がいっそう下がり間口がいっそう広がっている、今作を聴くとそういう印象を受ける。日本テレビの『スッキリ!』、NHKの『あさイチ』と、朝の情報番組から立て続けに出演オファーがあり生演奏を披露した(する)り、リオ五輪の閉会式で楽曲が使用されたりしたのも、その音の楽しさが広まり始めたからだろう。この1年何を考えて何を行ってきて、そしてそれがニューアルバムにどのように反映されているかについて、メンバー3人に訊いた。(兵庫慎司)

「ツアーと新曲の連続配信、同時にやったのがよかった」(H ZETT NIRE)

──前作からの1年弱というのはどのような時期だったか、どのようにすごしてきたかを、それぞれ教えていただけますか。

H ZETT KOU(dr/銀鼻):「パスとシュートの精度が上がってきた」という感じがします。レコーディングで、H ZETT Mさんが曲を持ってきて、それを完成させるまでの速度も上がったし、その曲が行き着く場所に、「こっちでしょ!」って行くスピードがも上がった。あと、個人的には、私、立ってドラムを叩いているのですが、それがもうメキメキと上達してきまして。いい感じのドラミングがアルバムには収録されているかなと思います。

──いつの間にか立って叩くようになっていた印象なんですけども。あれ、いつからでしたっけ?

H ZETT KOU:えーと、もう2年前ぐらいからですかね。

──差し支えなければ、理由を教えていただけますか。

H ZETT KOU:それまで座って叩いてたんですけど、楽しくなって立っちゃったんです(笑)。ほんとそういう感じなんですよね。で、立ってる方が身体が開くというか、直に音を感じられるようになって。さらにノれる感じになりましたね。

H ZETT NIRE(bass/赤鼻):最初は、パフォーマンス的な理由なのかと思ってたんですけど、レコーディングの時も立ってるんですよね。

H ZETT KOU:立つと、いいんですよね。お勧めです。座ってる時にできないようなことが、逆に立ってるとできたりするんですよ。立ってからプレイが全然変わりました。最初の頃はバランスが難しかったんですけど、すぐにコツをつかんでからは、むしろ……ノれるんで。

20160825-hzt5.jpg

 

──NIREさんはいかがですか?

H ZETT NIRE:去年の年末で、PE’Zというバンドが解散しまして。別人なんですけど(笑)。最後のライブも、すごく感動的ないいライブができたなと思って、非常にいい区切りになった、というのがありまして、気持ちを切り替えられたというか。「よし、じゃあH ZETTRIOに集中してがんばろう」という気持ちになれたことが、この1年ぐらいだと大きいですね。今年に入ってから、配信リリースと、3月から50本ちょっとのツアーがあったんですけど、そのこともあったので、さらにH ZETTRIOとしての活動にガッと入っていけたと思います。配信とツアーを同時にやったのがよくて。ツアーの最中に、どんどん配信していくから、ツアーをやっていく間にどんどん曲が増えていく。

──録ってあったんですか?

H ZETT NIRE:いや、ツアーの途中で東京に帰ってくる度にレコーディングをして。

──それ、普通、バンドがいちばん嫌がるパターンですけども。

H ZETT NIRE:(笑)そうなんですかね? でもそれで、どっちも加速できたというか、ツアーも新曲制作も、お互いがお互いにいい影響を及ぼして、どんどん昇っていくみたいな。その結果としてアルバムに至ったんで、非常にいい形でアルバム・リリースを迎えられたんじゃないかなと思います。あと、ミュージックビデオもツアー先で撮ったりして、それもまた楽しくて。全部が動きながらよくなっていくというか。去年の連続配信がすごくよかったんで、今年もやってみよう、というので始まって。で、ツアーはツアーで決まっていたので、たまたま重なっただけなんですけども。でもそれがよかったんですよね。ライブで新曲をやると、お客さんの反応があるので。そうすると……鮮度というか、フレッシュ感というか。作ってすぐお客さんに出して、「これどうだ!」「いいね!」「よしわかった、じゃあ次はこれだ!」みたいな。

──H ZETT Mさんは?

H ZETT M:さっきKOUさんが、立ってドラムを叩くことによって「身体が開かれる」て言ったんですけど。僕もその……その開かれた感を意識していたかな、と思います、今考えたら。「何かおもしろいことないかな」とか、「いろんな人に広がったらいいな」とか、「今までやってないことをやりたいな」とか。自分の芯を強く持ちつつ、自分たちらしさみたいなものに縛られずに、開かれていくというか、解放していくというか。何かおもしろいことを見つけて、いろんなことと合体して、どんどん変わっていきたいですね。

たとえば今回、「Wonderful Flight」っていう曲のミュージックビデオで、八谷和彦さん(芸術家)──『風の谷のナウシカ』のメーヴェをモチーフにした飛行機を作っている方とコラボレーションできたっていうのは、思ってもいなかったすばらしいことで(※その実機が無事飛行するまでの模様と、3人の演奏シーンがMVの軸になっている)。どんどん世界が広がっていくというか、そうすると音楽も強くなっていくというか、気持ちも昂ぶるというか。そういうふうに刺激を受けて、「もっといい音楽を作りたい」というふうになっていくというか。

「リオ五輪閉会式での楽曲起用も話題 H ZETTRIOの“ジャンルを凌駕する”活動論をメンバーに訊く」のページです。>の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版