A.B.C-ZとジャニーズWEST、なぜ今ファンクラブ発足? 新規ファン急増前の体制づくりか

 ジャニーズ事務所の公式サイト『Johnny’s net』にて、A.B.C-ZとジャニーズWESTのファンクラブ発足についての案内が行われた。これは、7月に入りアナウンスされたもの。メンバーもページ内の動画コメントを通して、発足の喜びをファンに伝えている。

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(C)タナカケンイチ

 ジャニーズといえば「ファミリークラブ」というファンクラブ組織があり、各グループのファンクラブに入会することで、コンサートチケットの優先権、会報、番組観覧などの特典を受けられる仕組みがある。A.B.C-Zはデビューから4年、ジャニーズWESTは2年を経ての発足となった。なぜ今、彼らのファンクラブが発足となったのか。ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏に話を聞いた。

「A.B.C-ZとジャニーズWESTは、ともにジャニーズJr.時代から活動していたグループ。デビューに合わせて結成されたグループではなかったこともあり、発足タイミングを逃していたのかもしれません。A.B.C-Zに関しては、異例のDVDデビュー。いわゆる通常のCDデビューではなかったこともあり、イレギュラー感が続いていました。ファンからしても、ここでようやくジャニーズの通常の軌道に乗ったといった感じでしょう」

 これまで各グループのデビュー近辺にファンクラブが立ち上がることが多かったジャニーズだが、「インターネットの普及によりファンクラブの役割が薄れている現状がある」と佐藤氏は続ける。

「インターネットが普及する前は、ファンクラブ会報でないと知り得ない情報があった。しかし今は、『Johnny’s web』という有料会員サイトや、その他サイトやSNSなどで最新情報を得ることができます。メンバーがファンクラブなしで活動するなかで、ファンはやや不便さはありつつもコンサートや舞台に足を運ぶことができていたため、必要性が叫ばれてこなかったのではないでしょうか」

 A.B.C-ZとジャニーズWESTはともに今年に入りテレビ露出が増加、ジャニーズWESTに関しては、『2016年 上半期観客動員ランキング』(LiveFans調べ)男性アイドル部門にて1位に輝き、関西を中心に活動してきた彼らの人気はいよいよ全国区となっている。今回の発足は、急増する新規ファンにむけた意味合いもあると佐藤氏は分析する。

「テレビ露出が増えることにより番組観覧も増えていきますし、コンサートや舞台のチケットもより入手しづらくなっていくでしょう。その前に環境が整えられたことが予想されます。また既存のファンは他グループと掛け持ちで彼らのファンになった人も多いなか、今後新規ファンが増えれば、彼らをきっかけにジャニーズファンになる人もいるでしょうし、そういった人たちの受け皿の意味合いもあるのでは。なかなか後輩グループが育ちづらい状況にありますが、今回の動きで事務所もいよいよ彼らを本格的に育てるタームに入ったのではと期待できますね」

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