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太田省一『ジャニーズとテレビ史』第十八回:A.B.C-Z『ABChanZoo』

A.B.C-Zはジャニーズの過去と未来をつなぐ? 好調のテレ東冠番組から伝わること

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 『ABChanZoo』(テレビ東京系)が好調だ。2013年から始まったA.B.C-Zの冠バラエティだが、この4月から放送時間が移動した。これまで日曜の朝11時台だったのが、土曜の深夜1時台となった。真逆の時間帯と言ってもいいが、この移動が大きくプラスに働いている印象だ。

realsound_abczth.jpg(C)タナカケンイチ

 まず、深夜バラエティ、特にテレビ東京の専売特許と言ってもいいユルいノリと、A.B.C-Zの相性が良い。

 A.B.C-Zは、2008年結成の5人グループ。グループ名のAの意味でもあるアクロバットが得意で、「体育会系ジャニーズ」と称される。実際、歌番組などで、テレビ局のロビーや廊下などを縦横に使ってアクロバット入りの見事なパフォーマンスを披露する彼らを見たことのある人も多いだろう。2012年のメジャーデビューが通常のCDではなく映像付きのDVDだったことも、そのセールスポイントからくるものだ。

 彼らは、元々A.B.Cだった五関晃一、戸塚祥太、塚田僚一、河合郁人の4人に橋本良亮が加わり現在のグループ名になった。ひとり年齢の離れた橋本が弟的ポジションという関係性だ。兄貴的な五関、戸塚、塚田、河合の4人のジャニーズ入所は1990年代の終わりのことなので、2012年のデビューまでに10年以上を要したことになる。同期や後輩のジュニアたちが先にデビューすることも経験し、下積みの長かった苦労人のイメージも強い。

 それもあってか、『ABChanZoo』での彼らには、現ジャニーズグループのなかでもデビューの新しい方でありながら、キャリアに裏付けられた懐の深さが感じられる。初の“NGナシ”ジャニーズとしてさまざまなロケやゲームに挑むなかにも、どこか余裕を残した風情がある。一生懸命ながらも程よいまったり感が醸し出されるのだ。それが深夜バラエティのユルさとしっくりくる。

 例えば、ジャニーズなのに「影が薄い」と言われてしまう五関晃一がヴィーナスフォートのなかに変装して隠れているのを探し出す企画「五関を探せ!」では、ミッションに成功した河合郁人がこの企画は二度とやらないでと神様に扮した五関に願い事をすると、せっかく自分をフィーチャーした企画なのに五関はそれをあっさり認めてしまっていた。

 また、メンバーのひとりが夜の街を歩いてユニークな素人のエピソードを聞き出し、それをクイズにする企画「クイズ出来ちゃいました」では、戸塚祥太が人見知りを発揮して店にもなかなか入れなかったり、塚田僚一が自分で問題を作っておきながら肝心の答えを忘れたりしていた。

 こう書くとただのグダグダにも思えるかもしれないが、見ているとそれが程よいまったり感になっていて思わず笑ってしまう。それは、他のジャニーズグループにないひとつの個性と言えるだろう。

 そんなユルさは、日曜放送時代からすでにあった。極めつけは、メンバーの“代役”を立てるシステムだ。

 番組は、昨年夏から観光地などへロケに出てのクイズ企画にリニューアルしていた。その際、早押しクイズで最下位になるとそのメンバーは強制的に帰宅となってしまう。その抜けたところに代役が入るのである。だからグループのセンターである橋本良亮が番組の冒頭で脱落して、そのまま映らなくなってしまうこともある。

 代役になるのは「46歳コンビニ店長」、「36歳自称・家庭教師」などただの素人である。何となく雰囲気は寄せていたりもするが、よく見ると別に似ているわけでもない。それだけでも十分ユルいが、この代役が単なる出落ちではなく、本物を押しのけてしまうこともあった。

 究極だったのは、番組の最後に代役しか残らなかった回だろう。5人中3人が脱落し、敗者復活クイズをそれぞれの代役との対戦形式でやったものの、それでも勝てず最終的にエンディングに代役しかいなくなるという回があった。ここまでいくと自虐のし過ぎにも思えるが、それでも成立してしまうところがA.B.C-Zらしくもある。

      

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