三戸なつめが明かす、デビュー後の葛藤と挑戦「純粋な気持ち、原点に戻ることができた」

三戸なつめが語る葛藤と挑戦

 三戸なつめが4月6日にニュー・シングル『I'll do my best』をリリースする。中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュースによる、新境地を感じさせる“セツナカワイイ”表現がグッとくる耳に残るポップ・チューンだ。デビューシングル『前髪を切りすぎた』でのコミカルな世界観とは打って変わり、エレクトロ・ポップなサウンドに乗せて、スパイスとしてちりばめられた洋楽テイストを感じさせる、決め所いっぱいのドラマティックなサウンドワークが中毒性高い。春に新生活を迎える全ての人に贈る“旅立ちの歌”をテーマに、期待と不安で胸がいっぱいの僕らの背中を押してくれるナンバーだ。挑戦といえる新たな音楽表現について、じっくりと語ってもらった。(ふくりゅう:音楽コンシェルジュ)

「ちゃんと自分の足で立っていかないと」

ーー新曲「I'll do my best」での、ドラマティックにせつないポップ感にやられました。

三戸なつめ(以下、三戸):ありがとうございます。嬉しいです。

ーー三戸なつめといえば、デビュー曲「前髪を切りすぎた」のインパクトがすごかったですよね。確実に、知名度を獲得して爪痕を残したというか。そんななか「I'll do my best」では、誤解を恐れずたとえるならコールドプレイばりのセツナサと爽快さを感じられるサウンドへ踏み込んできましたね。歌われてみていかがでしたか?

三戸:今まで出してきた、あ、出してきたってまだCDは2枚なんですけど(笑)。でも「前髪を切りすぎた」と「8ビットボーイ」という曲は「みんなにコミカルに楽しんでもらおう!」って思いが一番にあったんですね。でも、(中田)ヤスタカさんに「I'll do my best」の曲をもらった時に、うちも「こう来たか!」とおどろきました。楽しむだけではなく、お客さんの人生の物語のなかに入っていくような曲だと思ったんです。

ーーそれ、すごいよくわかります。ちょっと俯瞰した視点を持っている魔法めいた楽曲ですよね。

三戸:何かこうジュワーみたいな、染み渡っていく感じ? 歌には言葉にできないような表現が必要なんだなと思いました。あと、うちは奈良出身で上京してきた経験があったので、歌詞を読んだときにけっこう自分とあてハマることが多かったんです。ヤスタカさんに話したことなかった自分の気持ちが歌詞になっていたんですよ。最初、目を通したときにビックリしましたね。

ーー実体験をヤスタカさんに話して、歌詞にしてもらったんじゃないんですね。普段話してた会話や、印象から書かれているんでしょうね。

三戸:ああ、そうなのかな。そうかもしれない。

ーー歌詞のどの辺に一番グッときました?

三戸:〈楽しい思い出に 頼らなくてもいい日は 来ると信じてる〉っていうフレーズは、まさに思っていたことなんです。地元の奈良は友達がいっぱいいたし、安心できる場所だったんです。でも、1人で上京してきたんで寂しいこともあって。でも「楽しかった過去にすがりつかずに、ちゃんと自分の足で立っていかないとな」って思っていました。もともと、2010年からモデル活動を関西からはじめてたんです。でも、東京で仕事の幅を拡げたいって思いが強かったんです。なので夢を持って「なんかやってやんぜ!」みたいな強気な感じでしたね。そして、2013年に上京しました。

ーー三戸さんのなかで、音楽活動というのはどんな存在だったんですか?

三戸:やってみたいなってずっと思ってました。でも、まさか中田ヤスタカさんにプロデュースしてもらうことになるなんて驚きましたね。もともと、目標も決めていたんですよ。えっと、5年後は紅白歌合戦に出て、10年後は女優になって、20年後は文房具屋をやるっていう。

ーーそれ、三戸さんっぽくていいですね。

三戸:ははは(笑)。いまも変わらず思ってますよ。文房具屋ってのは、アートディレクターの方と御飯を食べたときに「なんか最終的に文房具屋さんやりたいんですよね」って話したことがあって。それが、後にポスターでデザインされてあがってきたんですよ。

ーー自分が持っている世界観が、様々なクリエイターとコラボレーションすることによって具現化されていくという、面白い経験をされているのですね。

三戸:そうなんです。しかもまわりのクリエイターがすごい方ばかりで。なんだろう、夢を叶えてくれているというか。形にしてくれるスピードが早くって。やっぱりなんか、うん。もっと自分を強く持っていないといけないなって日々思っています。

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