ももクロの強さとバンプ、マンウィズが示したロックの復権 最新チャートからシーンの動向を読む

 それでもトップだ、ロックバンドより全然売れてるじゃないか、という声は当然あるでしょう。でも、前週のチャートも合わせて考えれば事態は違います。4位のBUMP OF CHICKEN『Butterflies』は先週ぶっちぎりの1位で197,160枚、今週のセールスをプラスして立派な22万枚超えですよ。さらに5位のMAN WITH A MISSION『The World’s On Fire』は先週と今週をあわせて余裕の12万枚超え。「もはや10万枚売れるロックバンドはONE OK ROCK以外いない」と言われて久しかったのに、このセールス力には本当に目を見張るものがあります。

 バンプの安定感はMr.Childrenとほぼ同じ。マンウィズの勢いは間違いなくワンオクに匹敵するもの。さらに6位に登場したKANA-BOONは若手ロックの旗手として大いに注目を集めています。べつにロックが売れなきゃいけないわけじゃないし、アイドルのほうが熱くても全然いいんですが、ただ、「若者にまったく求められない音楽」に成り下がってしまうのは哀しい。いちロックファンとしては、なんとなく嬉しい気分になった今週でした。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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