嵐がももクロ、スカパラホーンズとコラボした意味 パフォーマンスの幅はどう広がった?
嵐が12月2日、年末大型音楽特番のひとつである『2015 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に出演した。今年の『FNS歌謡祭』は、テーマの異なる2日間での開催となった。嵐が出演したこの日のテーマは「名曲だらけの豪華コラボレーション祭り!」。あらゆるアーティストの代表曲や人気曲が、普段見ることのできない異色コラボレーションによって披露された。
嵐は『嵐スペシャルコラボメドレー』と題し、「WISH」(2005年)、「GUTS!」(2014年)、「愛を叫べ」(2015年)を披露。そのうち、前2曲を他アーティストとのコラボレーションで披露した。
黒のスーツ姿で登場した嵐は、まず1曲目の「WISH」で、ももいろクローバーZとコラボレーション。嵐のバックダンサーのような形で出演した彼女たちと息のあったダンスを披露した。年齢や性別関係なく幅広いファンを獲得する両グループ。活躍の仕方という点では、共通しているところがあるのかもしれない。バラエティ番組ではなく音楽番組で今回のような共演を見る機会は、とても珍しい。ジャニーズの後輩グループとの共演で見せる姿とは一味違った表情を見ることができた共演だったのではないだろうか。
2曲目の「GUTS!」では、東京スカパラダイスオーケストラのNARGO(Trumpet)、北原雅彦(Trombone)、GAMO(Tenor sax)、谷中敦(Baritone sax)とコラボレーション。“スカパラホーンズ”と呼ばれる彼らと、ダンサブルなステージを披露した。ホーン隊によるサウンドが印象的な同曲を、最高潮に盛り上げる演出となったのではないだろうか。リズムに合わせてダイナミックな演奏を披露する男気溢れるスカパラホーンズと、前方でフォーメーションダンスを華麗に披露する嵐との絶妙なコンビネーションは、なぜ今まで共演がなかったのかと感じるほどのものだった。
ラストは、嵐の今年の代表曲ともいえる「愛を叫べ」。振付が特徴的な同曲をキレのよいダンスで披露した。2組とのコラボレーションを終え、メンバーのみとなったステージ上の嵐は、いつも以上に生き生きとしているように見えた。音楽番組で他アーティストと共演する機会があまりなかった嵐にとって、今回のステージから受けた刺激は大きいかもしれない。
嵐の最近の活動を見ていると、パフォーマンス面での魅力を伝えるものが多くなっていると感じる。そのような流れもあり、今回の共演が実現したのだろう。ここ数年、「仲の良さ」を中心とした人間性がフォーカスされることが多かったグループだが、2015年から2016年にかけて、彼らのアーティスト性が引き出される活動が増える可能性は高い。そんな中、今回のコラボレーションは嵐のパフォーマンスの幅を広げるものとなったことは間違いないだろう。
(文=竹上尋子)