E-girlsがキャリアを重ねて得た“強み“とは? 音楽性の変化から読み解く
E-girlsが2月10日、ベストアルバム『E.G. SMILE -E-girls BEST-』をリリースした。
同作は歴代のシングル曲や新曲を収録するほか、国内外のプロデューサーが彼女たちの楽曲をリミックスしたCDもパッケージされている。E-girlsの歴史を辿りつつ、今後の音楽的な方向性が伺える一作といえるだろう。ここでは同作を軸にしつつ、彼女たちの楽曲群からサウンドの変遷と特徴をまとめてみたい。
「ガールズポップ前夜」のE-girls
E-girlsの最初期にあたる楽曲は、70〜80年代のソウル/ファンクの流れを汲んだカッティング・ギターやホーンに、現行のポップスを意識したリズムを加えたアレンジが特徴的な「Celebration!」(2011年12月リリース)。しかしファンク路線の表題曲はこれ以降鳴りをひそめ、2012年4月にリリースした2枚目のシングル『One Two Three』より後のE-girlsは、CLARABELLやArmySlickといった気鋭の音楽作家を積極的に起用したことや、Samantha ThavasaやSamantha Vegaのタイアップに決まったことも影響してか、K-POPにも近い雰囲気のガールズポップが続く。
E-girlsが幅広い世代のファンを獲得した「もうひとつの強み」
一方、その流れとはまた異なるサウンドを持つシングルも存在する。それは2013年2月にリリースした4thシングル『THE NEVER ENDING STORY』、2014年7月リリースの9thシングル『E.G. Anthem -WE ARE VENUS-』、同年8月リリースの10thシングル『おどるポンポコリン』だ。
名作映画『ネバーエンディングストーリー』テーマソングの日本語版やYMOの名曲「RYDEEN」の引用、国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』のカバーなど、いずれも広い世代に愛されている楽曲のオンパレード。ほかにもアルバム『E.G.TIMES』には「ロックンロール・ウィドウ」(宇崎竜童)や「うれしい! たのしい! 大好き!」(DREAMS COME TRUE)のカバーを収録。コンサートに小・中学生の観客も多い同グループが、ファンの親世代の名曲も取り入れることで、親子揃って楽しめる魅力を兼ね備えるようになった。