くるりが『TEAM ROCK』『THE WORLD IS MINE』再現ライブで展開した2015年のサウンド

くるり『NOW AND THEN vol.2』レポート

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佐藤征史

 そして本編の最後の2曲。「ばらの花」と「リバー」は、ほぼ原曲のアレンジのまま演奏されたのが心憎かった。「ばらの花」でのミニマルなキーボードも、「リバー」でのカントリー・ロックもそのままだ。演奏が骨太になったこと以外は。「リバー」では岸田繁がバンジョーを弾き、終盤はジャグ・バンドのような盛りあがりを見せた。

 くるりは、それこそ「THE PIER」のような最新作をリリースしているバンドだ。情報量を増やそうとすればいくらでも可能なはずなのに、それはしない。その代わりに、2015年のくるりとして、随所に新しいアイデアや解釈を盛りこみながら『TEAM ROCK』と『THE WORLD IS MINE』を再現したのが『NOW AND THEN vol.2』だった。

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(撮影=浜野カズシ)

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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