Awesome City Clubが自主企画第二弾で見せた新機軸 2ndアルバムの充実を伝えるライブに

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 Awesome City Clubが、8月21日にWWWにて自主企画『Awesome Talks -vol.2-』を開催。ゲストにGREAT3とgroup_inou、DJにサイトウ”JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)を迎え、満員の会場にてライブを行った。

 同イベントは“参加者主役のパーティー”をコンセプトに掲げて行われるもので、4月に開催された第一回には吉田ヨウヘイgroupと髭、DJとして木下理樹(ART-SCHOOL)を招聘していた。

 まずは開演までの時間を、DJ・サイトウ”JxJx”ジュンがハウスやロックなど、多彩なジャンルの音楽で盛り上げると、1番手にはgroup_inouが登場。トラック担当のimaiが激しく動きながらパフォーマンスすると、MCのcpが中毒性のあるフロウを連発し、会場の観客を冒頭から踊らせた。2番手のGREAT3は、「愛の関係」や「Little Jの嘆き」など、新旧織り交ぜたセットリストを披露。円熟味のあるグル―ヴィーな演奏で、最後のAwesome City Clubへとバトンを手渡した。

 Awesome City Clubの出番前には、ステージ背景にTHE FORESTの手掛けた舞台演出用のモニターなどのセットが組み上げられ、その後メンバーが登場。今回は9月16日にリリースする2ndアルバム『Awesome City Tracks 2』を、曲順通りに披露するという「発売前再現LIVE」を行った。

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 1曲目に披露されたのは、同バンドの楽曲でも極めてスケールが大きく、USインディーとの親和性を感じる「GOLD」。2曲目はアーバンな雰囲気とatagi(Vo、Gu)のボーカルがマッチしていた「what you want」を、3曲目には爽やかなメロディとサビのシングアロングが夏にぴったりの「WAHAHA」をそれぞれ演奏すると、MCでatagiは「不安定な道をずっと進んでいて、色んな出会いと別れがあるんですが、この曲はそんな別れにフォーカスを当てたもの。でもポジティブで『また一緒にお酒が飲めたらいいね』という気持ちを込めて作りました」と語り、4曲目「僕らはここでお別れさ」を披露。ジャズとチルウェイヴがミックスされたような音色に、叙情的な歌詞、さらに各メンバーが手を振る様子がミックスされた映像が合わさり、会場はメロウな空気に包まれた。

 その後、バンドは5曲目に「愛ゆえに深度深い」を演奏。音源だと打ち込み感の強い楽曲を、ユキエ(Dr、Vo)の刻むハイハットとマツザカタクミ(Ba、Syn、Vo)のラップが際立つ、ライブならではの生音アレンジで繰り出した。6曲目はクラウドファンディングシングルとしてもリリースし、同アルバムのリード曲でもある「アウトサイダー」。バンドサウンドに味付けされたストリングスの音が、ポップ感を増幅させている同曲からは、これまで同バンドが掲げてきた“テン年代のシティポップ”像と良い意味で距離を取っている印象を受けた。

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 そして本編最後に披露した、7曲目「Lullaby For TOKYO CITY」は、鍵盤の弾き語り風のイントロから始まり、ジャズナンバーのようにメロウな進行を見せるバラード曲。atagiとPORIN(Vo、Syn)の掛け合うボーカルに海外のメジャーバンドのようなダイナミズムを感じつつ、アウトロでは各パートが全力で演奏する心地よい轟音を聴かせ、バンドはステージを後にした。

 アンコールでは1stアルバム『Awesome City Tracks』より、「4月のマーチ」と「涙の上海ナイト」を披露。ライブの定番曲で観客を盛り上げ、この日の公演は終了した。

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 9月16日の2ndアルバムリリースへ向け、今回の自主企画成功でさらに勢いを付けたAwesome City Club。2015年期待の若手バンドが繰り出す2手目は、どこまで広がりを見せるのか。引き続きその成長を見守りたい。

(文=中村拓海/写真=古溪一道)

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