宇野維正のライブオーディション『HARE NOVA』レポート
『HARE NOVA Vol.04』ライブレポート 「新世代のアーティストが次から次へと出てきている」
中村佳穂
くるり岸田繁や高野寛から賞賛され、既に一部の音楽好きの間で話題となっている京都の現役女子大生シンガーソングライター、中村佳穂。5月31日に1stミニアルバム『口うつしロマンス』もリリースされたばかり。小柄な身体からは想像もできないほど時に激しくエモい歌声と、独創的なピアノ演奏(とゲスト参加したスティーヴ エトウの見事なパーカッション演奏)、自分のことや目の前の状況を即興的に弾き語っていくその圧倒的なパフォーマンスに、オーディエンスもゲストウォッチャーも一様にどよめいていた。曲の途中で小沢健二「今夜はブギーバック」の一節が飛び出すなど遊び心も満載。
■ゲストウォッチャー
堂島孝平「前代未聞ですね。素晴らしかったです。ライブを観ているというより、演劇を観ているような気持ちになりました。一瞬でも聴き逃したら、見逃したらいけないというパフォーマンスでした。(東京で)友達を見つける前に、いいマネージャーを見つけてください(笑)」
宇野維正「本当に凄味のあるアーティストで、感性と理性のバランスも素晴らしい。ただ、今ちょっと才気走り過ぎている感があるので、じっくり聴かせる美しい曲とトリッキーな曲のコントラストをよりはっきりつけたら、さらに良くなると思いました」
Marmalade butcher
2010年に始動、2012年からライブ活動をスタートさせた、「モテるインスト」をモットーとする4人組インストゥルメンタル・バンド、Marmalade butcher(通称「マ肉」)。中心人物にえぬはアイドルに楽曲を提供するなど、コンポーザーとしても活動している。オルタナティブロックというよりは、近年の高速Jロックと親和性の高い疾走感のある演奏。この日のステージでは、当日のMC木村ウニ(蜜)が参加して、バンドにとって初めての歌モノカバー(レベッカ&アン・ルイス)も披露。途中、あまりの激しさに弦が切れるなどのトラブルもあったが、最後まで全速力で走り切った。
■ゲストウォッチャー
大森ゆかり「すごいパワフルな演奏でカッコよかったです。ライブの見せ方としては、映像とシンクロさせるとか、ビジュアル面でもう少し統一感を持たせるとか、そういう工夫を加えたらより良くなると思いました」
堂島孝平「『モテるインスト』がモットーで、誰一人モテる感じがしないというのが最高ですね(笑)。ちゃんとフリとボケができている。そういうキャラクターがお客さんにもっと伝わるようになったら、より面白くなるんじゃないかな」