西川進、松田"FIRE"卓己、かどしゅんたろう……引っ張りだこの凄腕サポートミュージシャン5選
野生のベーシスト獣犬・Ju-Ken
長身で奇抜な髪形と長い顎髭など、そして何よりもその激しいステージングが、サポートなのにメンバーより目立っていることで有名なベーシストである。
hide with Spread BeaverのDIEバンド、アリキックやKIYOSHIバンド、そしてnitro(food)を経て、Oblivion Dustにサポート参加。以来ギタリストK.A.Zとの親交は深く、Spin Aqua、そしてVAMPSでは正式メンバーと言っても過言ではない存在になっている。
派手なルックスとアクションに目が行きがちであり、GACKTや布袋寅泰などロック色の強いアーティストに好まれる印象が強いが、歌を支えるベースとして堅実的なプレイヤーとしても定評が高く、福山雅治や中島美嘉など、その幅は多岐に渡っている。
轟音で繊細なギタリスト・名越由貴夫
15年ぶりにまさかの活動再開を遂げるオルタナ・ジャンク・ノイズ・ハードコアバンド、Co/SS/gZ(COPASS GRINDERZ/コーパス・ グラインダーズ)のギタリスト。
その強烈すぎたコアな音楽性とは到底結びつかなかった、岩井俊二監督の映画『スワロウテイル(1996年)』のYEN TOWN BANDへの参加で一躍脚光を浴びる。以後、CHARAとの関わりが深く、彼女の代表曲である「タイムマシーン」は名越とコーパス時代の盟友・吉村秀樹を含めた3人の共作である。
コーパスはベースレスのトリプルギターという特異な編成で、名越はオクターバーやワーミーペダルを使い、ギターの音域をオクターブ下げるベースのような役割であった。そのため、特徴的なオブリガードや効果的なエフェクトを使用した繊細なフレーズを得意とする。それはCHARAを始め、UAやSalyuなど、音数の少ない儚げな女性シンガーのサポートワークで聴くことが出来る。
長い髪に隠れたミステリアスな容姿と、ステージアクションの少ない寡黙なギタリストの印象が強いが、近年長渕剛のサポートメンバーに起用されたことにより、らしからぬ?アグレッシブな姿を見せている。
矢沢永吉がメンバーオーディションで、若手プレイヤーを集めたバンドを結成したことが話題になったが、今回紹介した中でも、長渕剛が名越由貴夫を起用したりと、大御所アーティストたちが個性を求めている動きが非常に興味深いところである。
ふとクレジットをみたときに、自分の好きなアーティストに同じギタリストが参加していることに気が付くときがある。ソロアーティストなのにやたら耳につくギターが聴こえたり、たまたまテレビの歌番組で見かけたドラマーが気になったりすることもあるはずだ。サポートミュージシャンから繋ぐ音楽シーン、そうした経緯で新たな音楽に出会うのも面白いだろう。
■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログ/twitter