>  > サウジアラビアで体験したプライスレスな異文化交流

トム・ハンクス主演『王様のためのホログラム』でサウジアラビアの文化を学ぶーー村上アシシ、異文化交流を経験して

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 熱狂的な日本代表サポーターで、先日行われたサッカーワールドカップアジア最終予選【日本VSサウジアラビア】の応援の為サウジを訪れた村上アシシ氏。サウジを舞台にしたトム・ハンクス主演映画『王様のためのホログラム』を事前に予習してサウジ入りした村上氏から、めったに入国することができないサウジの地のレポートを交えた、映画レビューが寄せられた。

 

 アッサラーム・アライクム!(※)村上アシシです。※アラビア語でこんにちはの意

 このたび、サッカー日本代表の応援のために、サウジアラビアに行って参りました! サウジアラビアといえば、イスラム教の戒律が非常に厳しく、2017年現在、我々日本人は観光ビザで入国することができない国です。

 ただし、サッカーの国際試合が行われる場合は例外です。今回はサッカー日本代表がアジア最終予選をサウジアラビアの敵地で戦うということで、私は日本サッカー協会のオフィシャルツアーに申し込む形で、9月5日に決戦の地ジェッダを訪れました。

入国時にまさかのサプライズ 

 私はサッカー日本代表の応援で世界中様々な国を訪れていますが、サウジアラビアは初入国。下見を兼ねてサウジアラビアを舞台にした映画『王様のためのホログラム』を旅立つ前にDVDで観ました。

 お話としては、エリート人生から転落し全てを失った主人公が、一発逆転を賭けてサウジアラビアの地で大奮闘しながら、再び希望を取り戻していくというストーリー。主人公を演じているのはトム・ハンクスです。彼の作品は『めぐり逢えたら』や『フォレスト・ガンプ/一期一会』など、20年以上前のものから見続けています。

 元々サウジアラビアには「謎めいた国」「何となく怖い国」という漠然としたイメージを抱いていたのですが、映画の中でトム・ハンクスが演じる主人公が現地で出会ったサウジアラビア人の温かい人柄に助けられて、次々に訪れる困難を乗り越えていく姿を見ることができて、入国前に良い意味でその先入観を壊すことができました。

 とはいえ、私自身のサウジアラビア滞在は試合前後の計3日間のみ。そんな短期間で、映画のような現地人と交流する機会なんてそうないだろうなと感じつつ、過度に期待することなくフラットな心持ちで旅立ちました。

 すると、空港に降り立って入国ゲートをくぐる前に、いきなりのサプライズ。日本から遥々やってきた100人の日本代表サポーターをサウジアラビアのスポーツ局の偉い方々が、バラの花を持って出迎えてくれたのです。

 入国前に空港などの公共施設での写真撮影は厳禁と聞いていたのですが、そもそもサウジアラビア人たちが僕ら日本人をパシャパシャと写真をたくさん撮っていたので、拍子抜けしました。

 無事入国審査を通過し、ホテルにチェックインした後に、ジェッダの旧市街に出かけました。『王様のためのホログラム』で出てきた街並みみたいだなと映画を思い出しながら観光していると、現地ガイドが最後に見せたい場所があると言って、バスを止めました。

 モスクの前にある公開処刑場でした。サウジアラビアでは殺人などの重い罪を犯した者は公衆の前で斬首刑が執行される仕来りなのです。ガイドブックを読んでその事実は知っていましたが、実際にその現場に降り立ってみると、背筋が凍る思いでした。

 『王様のためのホログラム』でも、トム・ハンクスがこういったイスラムの戒律に驚くシーンがあり、やはり現地で生で見る体験は、何物にも替え難い貴重なものだなと実感しました。

SNSの威力を思い知ったサウジアラビア戦 

 その翌日、このサウジアラビア旅のメインイベントであるサッカーの試合会場へ。私はいつも中東で行われる日本代表の試合では、対戦国へのリスペクトの意も込めて、イスラム教徒の正装スタイルであるターバンを頭に巻いて応援しています。この日もターバン用の白い布を持参し、スタンドで警備にあたっている警察官に巻いてもらいました。

 すると、たまたまなのですが、その模様を傍から撮影した映像がツイッターで拡散されました。

 
 「サッカーで対戦する相手同士なのに、フレンドリーに接していて素晴らしい光景」といったような好意的な反応が多かったです。そこで試合翌日、感謝の意を伝えようと思いたち、アラビア語と英語の併記で「助けてくれてありがとう」とツイートしました。

 すると、この呟きが約5万リツイートされて、サウジアラビアで爆発的に拡散しました。


 私のツイッターのリプライ欄には、アラビア語や英語で「こちらこそありがとう」、「サウジアラビアへようこそ」といったような好意的なツイートが何千と寄せられました。

 その後も、私と警察官との交流について、サウジアラビアの新聞やテレビなどのマスメディアがたくさん取り上げて、その度にフォロワーのサウジアラビア人が英語で知らせてくれました。

 SNS上とはいえ、最も戒律が厳しい国に住むイスラム教徒の人々と、国境を越えてこんなにもフレンドリーにやり取りができたことに私自身もびっくりしましたし、ましてサウジアラビアのようなベールに包まれた国でこんな体験ができるなんて、想像すらしていませんでした。

      

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