嵐・松本潤、『99.9』から『ナラタージュ』へ ヒット作を生み出す役者としての姿勢

 今や誰もが知る日本の代表的アイドルグループとなった嵐。彼らがブレイクした一因となったのは、メンバーの松本潤が主演を務めた『花より男子』(TBS系)の存在が大きいだろう。その勢いは今なお衰えず、松本が出演した直近の作品も好評だ。ドラマの視聴率低下が叫ばれている昨今、約2年ぶりに主演を務めた『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系)の最終回では19.1%という高い数字を叩き出した。そして12月13日には、「テレビステーション年末年始特大号/ドラマ大賞 主演男優賞」を受賞。続編やスピンオフ展開にも、期待が高まっている。

 松本と言えば、『バンビ~ノ!』(日本テレビ系)、『夏の恋は虹色に輝く』(フジテレビ系)、『ラッキーセブン』(フジテレビ系)、『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)など、次々にヒット作品を生み出してきた。嵐の演技派と言えば、二宮和也のイメージが強いが、“俳優・松本潤”を評価する声も少なくない。二宮が映画だとすれば、松本はドラマを活躍の舞台にしていると言えよう。では、松本がドラマのヒットメーカーとして活躍できているのはなぜなのだろうか。『99.9-刑事専門弁護士-』のエピソードから考えてみたいと思う。

 一つは、「チームの一員として作品を作り込む姿勢を持っていること」だろう。松本は役を魅力的に演じるだけでなく、自分が携わった作品を一スタッフとして作り上げるために積極的に演出にもアイデアを出している。実際、『99.9-刑事専門弁護士-』の瀬戸口克陽プロデューサーはこう語っている。

「松本さんから出てきたキャラクターのアイデアもあります。物欲はありませんが、深山の自宅アイテムに対するこだわりだとか、“マイ調味料”など、膨らんでいくものは進めながら、取り入れていきます」(出展:ORICON BiZ online

 他にも、『99.9-刑事専門弁護士-』のドキュメンタリー番組『完全密着30日もうひとつの真実 「99 9 刑事専門弁護士」』(TBS系)の中では、カメラワークについてや、深山大翔というキャラクターについても、意見やアイデアを出している姿が放送されていた。松本は「役者=チームの一員」であることを強く認識しているからこその姿勢だろう。回を重ねて撮影するドラマでは、松本の意見で物語に変化が生まれるところもありそうだ。

 そしてもう一つは、「抜かりない準備をして撮影に挑む完璧主義であること」だ。松本は、台本を完璧に覚えて撮影に望むタイプ。専門用語が多かった『99.9-刑事専門弁護士-』も例外ではない。証人尋問のシーンなどは専門用語に加えて長台詞であるにも関わらず、リハーサルの時点から完璧にやり遂げている。これまで、恋愛作品への出演がメインだった松本にとって、専門用語が並ぶ台詞を覚えるのは簡単ではなかったはず。しかしそれを努力でクリアしてしまう松本には、“さすが天下を取った嵐のメンバー”と感心せざるを得ない。

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