武田玲奈からは大ブレイクの予感しか漂ってこないーー広がる活躍分野と演技への期待

 NEWSの加藤シゲアキ原作のドラマ『傘を持たない蟻たちは』が佳境を迎えている。もともと6編の短編集であった原作から3つのエピソードを抜き出し、それをオムニバス形式にはせずに、連続ドラマとして脚色した点が実に興味深いドラマだ。第1話では『インターセプト』を、第2話では『恋愛小説(仮)』をそれぞれ劇中で執筆する小説の中の世界として描き出しており、第3話からは『にべもなく、よるべもなく』を過去の回想録として描いている。

 今週放送される第4話で最終回を迎えるのだが、ここでもベースとなるのは『にべもなく、よるべもなく』であろう。中学時代に親友から同性愛者であることを告げられた主人公の悩みを、いかに現代パートと結び付けるかに注目したい。同時に、最終回で主人公の中学時代の交際相手である舞が登場するのだが、それを演じているのが武田玲奈だと聞いては、ますます期待が高まるのである。

 彼女が演じる舞は、停学中だった主人公に想いを寄せ、やがて交際に発展する相手である。いわば、このドラマでようやく登場する、実在のヒロインであり、現代パートで同じ役を演じる、『赤い糸』でブレイクした南沢奈央と共に、ドラマ全体に大きな影響を及ぼす重要な役どころである。25分しかない枠の中で、決して出番は多くないとは思うが、彼女の存在が主人公・純と、その親友の啓介との関係性を占う位置にあるのでは、と見受けられる。

 このフジテレビ土曜深夜の「土ドラ」枠が再編成されてから今回が4クール目。1クールの間に短い連ドラを2本送り出している同枠では、これまでも『She』の松岡茉優をはじめ、『妄想彼女』の広瀬アリス、『テディ・ゴー!』の森川葵と、その後ブレイクを果たした若手女優がヒロインを務めている。武田玲奈もまた、彼女たちと同様に注目を集め、出演作が増えて行くと思われる。

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