ネクストブレイク筆頭株か? 『俺物語!!』ヒロインに抜擢された16歳=永野芽郁の魅力

『俺物語!!』に見る、永野芽郁への期待

20151106-oremonogatari03.jpg

 

 この大和凛子を演じる永野芽郁は、オーディションでこの役柄を獲得した、まだ16歳の逸材。これまで数本のドラマや映画への出演があるが、本作のような大役は初めてであろう。その出世作となる本作で、こんなにも魅力的なヒロインとして映し出されるのは、女優として本望であろうし、何よりそんな作り手側の作為に完璧に答えられるだけの素質が彼女にあるということだ。

 彼女のこれまでの出演作としては、数年前のバレンタイン時に放映されていた明治のチョコレートのCMで“友チョコ”を作る少女を演じていたのを記憶している。その時に共演していたのが嵐の松本潤で、彼のクールさとコミカルさを活かした絶妙な演技が中心になっていたせいもあってか、あまり彼女にフォーカスが当てられてはいなかったが、今と違ってストレートの髪型で、まだあどけない少女の活発な姿が描かれていた。それから2年ほど経ち、先日まで放送されていたフジテレビの深夜ドラマ『テディ・ゴー!』では、哀川翔演じるテディベアに乗り移った刑事の娘役を演じており、何倍も垢抜けた印象を受ける。むしろ『俺物語!!』からの短期間で比較しても、多少雰囲気が違って見える。

20151106-oremonogatari02.jpg

 

 もともとスカウトで芸能界入りし、子役業を積みながら小学生時代にファッション雑誌ニコ☆プチの専属モデルを務めていた彼女。同じ雑誌の専属モデルからは飯豊まりえや三吉彩花がすでに女優として期待されているだけに、彼女も一気にこのラインに並ぶことであろう。また集英社の少女漫画雑誌・りぼんの専属モデルである“りぼんガール”に選出されている経歴もあり、同世代の少女漫画読者とともに成長してきた彼女をヒロインへ抜擢したことは、一層効果的なキャスティングに思える。ちょうど子役からの転換期である彼女の、女優としての成長もさることながら、今後も男女両方から愛されるヒロイン像を演じてくれることに大いに期待したい。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

20151106-oremonogatari05.jpg

 

■公開情報
『俺物語!!』
全国東宝系にて公開中
出演:鈴木亮平、永野芽郁、坂口健太郎、鈴木砂羽、寺脇康文
原作:「俺物語!!」(作画・アルコ 原作・河原和音 /集英社「別冊マーガレット」連載)
監督:河合勇人
脚本:野木亜紀子
音楽:岩崎太整
(C)アルコ・河原和音/集英社
(C)2015映画「俺物語!!」製作委員会
公式サイト:ore-movie.jp

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる