『HARE NOVA Vol.06』ライブレポート「重要なのは誰の真似もしていないこと」

ワタナベタカシ

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 2014年に活動休止した変拍子ポップロックバンド、シガテラでドラムを担当していたワタナベタカシのソロ。この日はギター&コーラスに伊藤龍一郎(アマアシ)、ベース&コーラスにおかもとえみ(科楽特奏隊、ボタン工場、ex.THEラブ人間)という強力なサポートを得て、自身がフロントマンとしてステージの前方でドラムを叩きながら歌うというスタイルで初パフォーマンスを披露。一人で作詞作曲演奏歌唱ミックスを手がけた音源が既にネットでも密かに評判となっているように、楽曲の完成度はピカイチ。

■ゲストウォッチャーコメント
タカハシヒョウリ「初めてのパフォーマンスとのことですが、バンドとしてすごく良かった。セバドーとかの90年代ローファイバンドを思い出しましたね。このままだと売れないんじゃないかなとも思うんですけど(笑)、声もいいし、曲もいいし、この音楽が響く人は必ずいると思うので、己の道を行ってほしいです」
宇野維正「歌はとてもよかったんですけど、まだバンドマンのメンタリティが残っているというか、MCなどでもフロントマンとしての自覚をもうちょっと持った方がいいかなって思いました」

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 以上、結成/活動始動から間もないフレッシュな6組の出演者に続いて、ステージには、6月3日にファーストフルアルバム『Happy Umbrella』のリリースを控えているシナリオアートが登場。つい前日にアルバムのレコーディングをすべて終えたばかりというその勢いのまま、真摯かつエネルギッシュなパフォーマンスで会場をシナリオアート色に染め上げていった。満員のフロアには、この日の出演バンドの面々も勢揃いしてステージに熱視線を送るというHARE NOVAならではの光景が広がっていた。

亀田裕子「普通のイベントでは絶対に出会えない6組と出会えて、とても楽しかったです。これからも自分たちのやりたいことを貫き通して、それぞれのバンドが飛躍することを願ってます」
タカハシヒョウリ「僕はバンドマンなので、いずれ対バンをして、同じ土俵でどっちがカッコいいかを競い合いたいと思います」
小原田裕樹「普段いつも立ってライブを見てるので、こういう席でライブを見るのは慣れない経験だったんですけど、すごく勉強になりました」
原田公一「僕は事務所をやっているのでいつも即戦力を探すつもりで厳しく見ているんですけど、そこで重要視しているのは、誰の真似もしていないことと、ちゃんとボーカルの声が伝わってくるかということです。そういう意味では、今日はCö shu Nieが印象的でしたね。あと、さよならミオちゃんも良かったですけど、あまりにもオンタイム感が強いバンドだったから。自分は少なくともバンドの3年後くらいまでは想像しなきゃいけない立場なので、そういうことをいろいろと考えさせられる回でした」

(文=宇野維正/撮影=Ohagi)

■ライブ情報
「SMA 40th presents NEXT NEW LIVE SERIES
HARE NOVA Vol.07 ハレノヴァ」
2015年2月24(火) 東京・渋谷 clubasia (開場18:00 / 開演18:30)
出演
イエスマン
真田 嶺
とけた電球
ハザマ リツシ
The Rolly

ゲストアクト
片平里菜[BAND SET]

Pコード:250-177 https://pia.jp/t/harenova/
セブンイレブン店頭の端末で直接ご購入いただくと、システム利用料¥210-/枚がかかりません。

■原田公一:1977年より南佳孝のマネジメントを担当。その後、UNICORN、PUFFYほか、多くのアーティストに携わる。現・ソニー・ミュージックアーティスツ取締役。
UNICORN オフィシャルHP:https://www.unicorn.jp/
PUFFY オフィシャルHP:https://puffy.jp/

■小原田裕樹:イープラス「出れんの!? サマソニ!?」のプロデューサーを立ち上げから6年間担当。
http://emeets.jp/

■タカハシヒョウリ:「終わり」と「始まり」二つの言葉が示すとおり、ポップとアヴァンギャルド、未来と過去の架け橋となる「最重要」ロックバンド・オワリカラのボーカル、ギター。アルバム『サイハテ・ソングス』に続いて2枚組『New Days & New Years ep』発売中。

■亀田裕子:ユニバーサルミュージック UNIVERSAL J A&R
レコーディングエンジニア、アーティストマネージャーを経てA&Rへ。
少女時代、Happiness、久石譲、Syrup 16g、鬼束ちひろ等、数多くのアーティストに携わる。
https://www.universal-music.co.jp/

■宇野維正:音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter

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