オーラル、ゲス乙女、キュウソ……“先行指標”から見えた、今年の夏フェスのブレイク候補とは?

 7月から、いよいよ本格的な夏フェスのシーズンが始まる。4日間に規模を拡大したROCK IN JAPAN FESTIVALや、老舗のフジ・ロック、サマーソニックを筆頭に、7月から9月にかけて、ほぼ毎週末、日本各地の様々な場所でロックフェスが開催される。

 そして、夏のロックフェスは、ニューカマーのバンド達にとって、いわば「勝負」の場所でもある。ライブの現場でどれだけ興奮を生むことができるか、それがブレイクの決め手になる。最初はキャパの小さなテントでも、入場規制を経て、次はより大きなステージにステップアップしていく。そうやってバンドが「フェスの場で勝ち上がっていく」風景が可視化されるようになった。

 では、今年の注目株となるバンドは誰か? その指標として重要な意味を持ち始めたのが、5月に行われたメトロック(METROCK)だ。メトロック(METROCK)とは、5月24日・25日に東京・新木場若洲公園にて開催されたロックフェス「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL」の通称。2013年に初開催され、2年目を迎えた今年は、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、サカナクションら人気アーティストをメインステージに据えたラインナップで、4万人を超える動員となった。

 実は、METROCKは単なるイベントというだけでなく、アメリカのコーチェラ・フェスティバルと同じように、「今年のフェスシーズンを占う」という意味での、メディア的な機能も持ち始めている。特に注目すべきは“新人ステージ”の「NEW BEAT SQUARE」。そこで人気を掴んだバンドは、夏フェスの場でも台風の目になる可能性が高い。J-POPの人気者と勢いのある旬のニューカマーの両方が並ぶブッキングのせいもあり、「NEW BEAT SQUARE」ステージでのパフォーマンスや動員から、今年のブレイク候補を占うことができるのだ。

 実は、そのことはすでに去年に実証されている。去年のMETROCKの「NEW BEAT SQUARE」で入場規制を記録したのは二組。いずれもデビューアルバムのリリース前で、当時はまだ「知る人ぞ知る」存在だったKANA-BOONとBABYMETALだった。この二組がその後シーンに巻き起こした旋風については、改めて言うまでもないだろう。今夏、KANA-BOONは地元大阪で一万人規模の野外ワンマンライブを発表し、BABYMETALは武道館2daysを成功させワールドツアーの真っ最中。「フェスの入場規制を経てブレイク」という、ここ最近の新世代バンドやアイドルの成功の方程式を証明するような状況になっている。

 そして、今年のブレイク候補となるのは誰か。まず挙げられるのが、奈良出身の4人組、THE ORAL CIGARETTESだ。

THE ORAL CIGARETTES「起死回生STORY」MUSIC VIDEO

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