クロちゃんが大事にしている“島田紳助からの言葉” FIREBUG 佐藤詳悟に語った「芸人としてのスタンス」

クロちゃん×FIREBUG佐藤詳悟対談

クロちゃんは「キャラ」じゃない 

佐藤:成功している人は戦略家が多いと思うんですけど、クロちゃんからは戦略を感じないんです。それは感じさせないようにしているんですか?

クロちゃん:そもそもアイドルになりたかったのに芸人になっちゃった時点でおかしいじゃないですか! 戦略とかないです!

佐藤:じゃあ、そのときどきの選択を間違えずに、一生懸命にやってきたと。

クロちゃん:それで言うと、与えられたものに対しては一生懸命やってます。だって、怒られたくないから。とにかく自分のせいで怒られたくないんですよ。

 台本をもらったらめちゃくちゃ読み込むし。書いてあるボケも率先してやりますし。それは、僕のせいにされたくないからです。台本をちゃんと読んで、書いてあるボケをして、それで失敗したら僕のせいじゃないので。

佐藤:「怒られたくない」と強く思うのはなぜですか?

クロちゃん:だって、自分のマイナス評価につながるじゃないですか。たとえば、目隠しされてどこか連れて行かれるときに、目隠しがズレていてリアクションがおかしくなっちゃったら、それは見えるようにしたスタッフさんが良くなかったわけだし。とにかく、僕のせいにされたくない。

佐藤:クロちゃんという「キャラ」はどう作ってるんですか?

クロちゃん:キャラ?

佐藤:「クロちゃん」というキャラクターがあるわけじゃないですか。別にクロちゃんに限った話じゃなく、一般企業で働く人も、会社や家庭、友人など相手によってキャラを使い分けてることも珍しくありませんし。

クロちゃん:僕はキャラとかじゃないです。いつでも素直に生きてるだけです。嫌なときは嫌って言っちゃうし、『水曜日のダウンタウン』とかでも僕の暴言みたいなこととか使われちゃうから、もう隠す必要がないですよね。

佐藤:嘘がない。もう生まれたときからクロちゃんってことですね。

クロちゃん:子どものころから、僕が正しいと思うことをしたいと思ってきただけです。誰にでも挨拶をして、落ちているゴミを拾って、倒れている自転車は全部直すような子どもでした。

 でも、それが過剰だったんですよね。だから妹と一緒にいると「お兄ちゃん、恥ずかしいからやめて」って言われてました。それでも「間違っていないからやめたくない」と思ってたんです。あと、「一匹狼としての牙をなくしたのか」っていつも自問自答してますね。

佐藤:どういうことですか?

クロちゃん:僕はいつも一匹狼でありたいんです。みんなが見てるから良いことをする、みたいなのは嫌なんです。ひとりだとしても良いことをできる自分でありたい。

佐藤:それは誰かの影響を受けているんですか?

クロちゃん:勇者ですね。勇者は、勇気があるものだから。漫画やゲームに出てくる勇者は、周りの人からどう思われても、正しいと思うことをするじゃないですか。その気持ちは昔から変わらないです。

佐藤:クロちゃんには、いろんなマイルールがありそうですね。

クロちゃん:ありますね。人のピンチは自分のチャンス、とか。

佐藤:全然勇者っぽくないですね。

クロちゃん:違う違う! 僕の「正しい」っていうのは、自分の中で決めたルールを守りたいみたいなことだから! 自転車に乗って首を振るとなんかぼわっとするから気持ちが良いなと思って首を振るとか!

佐藤:ルールを作ること自体が好きってことですか。

クロちゃん:好きですね。塾に行きたくないけど行かないのはダメだから、行く途中に枝を拾って、持ってる枝が次に落ちてる枝に勝ったら進むとか。ロボットを作りたいと思って、国道沿いに落ちてる屑鉄を拾って家の室外機の下に隠しておくとか。

佐藤:自分でルールを作って、そのルールを守ってクリアしていくことが好きなんですね。

それでも一生テレビに出ていたい

佐藤:結局仕事術の話じゃなくなりましたね。

クロちゃん:仕事術の話をしましょう!

佐藤:じゃあ、いまのテレビバラエティについてどう思いますか?

クロちゃん:僕がですか?

佐藤:いまのテレビとか、それに対するSNSの反応とかについて、どう思っているのかなと。

クロちゃん:いまはテレビだけじゃなくいろんな媒体がありますけど、やっぱりテレビに出ないと「みんなが知ってる人」にはなれないなって。僕はそうなりたいし、テレビをきっかけにいただくお仕事もたくさんありますし、僕は一生テレビに出たいという気持ちです。

佐藤:テレビバラエティがもっとこうなってほしい、とかありますか? それこそいま、過酷なことや、受けた覚えのない仕事をやらされるとか、いろいろあるわけじゃないですか。

クロちゃん:僕だけコンプラがゆるい感じがしますもんね。スタッフさんからも「クロちゃんは悲壮感が出ないからいいよね」とか「かわいそうに見えない」とか言われるんですけど、僕はめちゃくちゃつらそうにしてるつもりなんですよ!

 幅広いお仕事ができるのはラッキーって思いますけど、過酷な仕事はいつも嫌だと言ってるし、思ってますよ。かといって、テレビでできることの締め付けがあまりにも強いことに関しては、もうちょっと緩くなった方がいいのにとは思ってますね。

佐藤:緩くなると、仕事がより過酷になってしまう可能性もありますが。

クロちゃん:いや、それは困りますね。難しいな。でも過酷なことをしたほうが評判いいんだよな……けど、しんどいんだよな。

 始まってしまえばあとは終わるだけなのは、事前に教えてもらっていないぶん楽なのかもしれないですけど、スケジュールも全然教えてもらえないんですよ。友達から「一週間後にごはん行こう」と言われても、一週間後のスケジュールがわからないから約束ができない。

佐藤:たしかに知らされてなさすぎますね。それでも周囲との関係などが続くのは、すごいと思います。

クロちゃん:僕は人に恵まれてると思いますね。うちの親じゃなかったら、僕を育てるなんて無理だったと思うし。短大を受けたときだって、57校受けてますからね。仕送りも5、6年前までしてもらってましたし。普通ならきっと「もう勝手にやりなさい」ってほっとくじゃないですか。だから親の援助がなかったら、僕はこの仕事をたぶんできてないです。

佐藤:親御さんになにかお返しなどはしましたか?

クロちゃん:しないです。親ってね、子どもに手がかからなくなると体を壊すこととか多いんですよ。だから僕は、親に長生きしてほしいなと思って仕送りをしてもらってたので。別に悪いことじゃないですよね。

佐藤:……他に感謝している人はいますか?

クロちゃん:親でしょ、あと、安田大サーカスを組んでくれた団長もそう。お笑いを全然わかってない僕になんだかんだ教えてくれたからね。団長に出会ってなかったらうまくいってなかったし、この仕事を続けてこられなかったと思いますよ。

 まだいますよ。やっぱりね、いまのマネージャー。「僕は0から1にするのは得意じゃないけど、1から大きくしていくのは得意なんです」っていうんです。だからすでに世に出てる状態から、どう進んでいけばいいか教えてくれた。

 僕のラジオが始まったときも、アイドルの子たちに僕がギャグばっかりやってたら、めちゃくちゃ注意されたんです。「そんなことやってたら仕事減りますよ。あの子たちのこと聞いてあげなきゃダメじゃないですか」って。そういうことを教えてくれます。

佐藤:そういった出会いや経験が、いまに生きているんですね。

クロちゃん:みんな自分の武器というか、アイテムになる感じが楽ですよね。親とかもテレビに出したりとかできますしね。リチと付き合ってまたひとつエッジが効くようになったんで、いろんなものが使えますよね。

 だから、なんでも使えるものを使おうと思う。だから勇者ってことですね。アイテムはね、僕はゲームでも基本的に使うの。

佐藤:さて、そろそろお時間なので……。

クロちゃん:え、本当ですか? なんか今日ちょっと違う気がするな。努力は絶対しないって形で生きてます! あと、人に優しく、自分にもっと優しく!

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■クロちゃんの漫画が連載開始
クロちゃんのとてつもない人生がスマホの縦読みマンガ「ウェブトゥーン」で連載開始!
「アイドル」志望だったのに気づけば「お笑い芸人」になっていた!?
初彼女に催眠術をかけ、マネージャーからは「ざまぁ」と言われ.....。
これは、安田大サーカス・クロちゃんの実話を元にした、嘘みたいで本当の話であるー。

作品名:「ボクはクロちゃん」
Ⓒパン/松竹芸能/COMICSMART INC./ボクはクロちゃんプロジェクト

配信先
ピッコマ・LINEマンガ・コミックシーモア・
めちゃコミ・ブックパス・ReaderStore・DMM・
kinoppy・フジテレビオンデマンド・ブックライブ・
GANMA! 等

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