Apple『Special Apple Experience』で登場する製品は? 3都市同時開催での「体験」を強調する理由と共に考える

Appleイベントで登場する製品は?

 2025年秋の「Awe dropping.」からはや数カ月。Appleが再び、我々の胸を高鳴らせる招待状を送り出した。2026年3月4日に開催される『Special Apple Experience』だ。

 今回の発表は、これまでのAppleイベントとは少し毛色が異なり、ニューヨーク、ロンドン、上海という世界3拠点で同時開催する「体験会」というスタイルだ。これまでのように、クパティーノにあるApple Parkからの一方的な配信ではなく、あえて「Experience(体験)」と銘打っていることから、発表される製品が「触れてこそ価値がわかる」ものであることを示唆しているように思える。

 今回の『Special Apple Experience』開催の情報を目にして筆者が思い出したのは、2024年10月末の「Mac Week」だ。あの時、Appleはプレスリリースと発表動画を怒涛の3日連続公開し、M4チップ搭載のiMacやMac mini、MacBook Proを一気に刷新した。

 その予想通り、Apple CEOのティム・クック氏はXで「A big week ahead. It all starts Monday morning! #AppleLaunch」と発言。週明けから数日にわたって、プレスリリースによる先行発表の波状攻撃を仕掛けてくるようだ。今回は、どのような新製品が登場するのか、予測してみたいと思う。

廉価版iPhoneの新定義「iPhone 17e(仮)」

 まず発表が確実視されているのが、iPhoneのラインナップに加わる新たなエントリーモデルの『iPhone 17e(仮)』だ。

 前モデルにあたる『iPhone 16e』はコストパフォーマンスに優れた一台だったが、今回の『iPhone 17e(仮)』には、より現代的なアップデートが期待されている。

 予想されている最大の注目点は「ノッチの廃止」だ。ついに廉価モデルにも「Dynamic Island」が採用され、「iPhone 17」シリーズと共通のデザイン言語を持つことになる。その他にもいろいろなスペックアップが噂されている。

iPhone 17e(仮)の予想スペック。ノーマルモデルのiPhone 17と比べてどれほど差を出してくるのかがポイントだ

 昨今のメモリや半導体価格の高騰のニュースから価格についても気になるが、米国では据え置きの599ドル〜と予測されている。現在の為替状況を鑑みると、日本では99,800円〜という「10万円を切る戦略的価格」の維持が期待されるところだ。

全モデルがAI対応になるiPadシリーズの底上げ

 次に控えるのは、iPadのノーマルモデルと、iPad Airのアップデートだ。

 今回のiPad刷新のテーマは明確だ。それは「すべてのiPadでApple Intelligenceが使えるようになること」である。これまでA16チップに留まっていた無印iPadが、一気にA18(あるいはA18 Pro)へとジャンプアップするとの見方が強い。それに伴い、メモリも8GBへ増設されるという見方がされている。

 もう一方の『iPad Air』も、M2からM4へのジャンプアップが期待されている。11インチと13インチの2サイズ展開は維持され、OLED(有機EL)化はProに譲るものの、処理能力は現行の『MacBook Pro』に匹敵するレベルに達するだろう。

 それ以外、ボディデザインなどは変わらないと予想されているため、単なるスペックアップに見えるかもしれない。しかし、パーソナルAIがOSの根幹を担う2026年において、チップの刷新はOSの寿命を左右する決定的な差となる。今後のiPadシリーズには必要なアップデートになるはずだ。

今回の主役は「A18 Pro搭載MacBook」か

 今回の『Special Apple Experience』という名称が最もふさわしい本命と噂されているのが、廉価版の「MacBook」である。

 現在、ノートブックのMacは『MacBook Air』と『MacBook Pro』の2モデルのみ。当初は性能差が明確だった各モデルだが、Appleシリコン搭載でMacBook Airの性能がアップしたためエントリーモデルという立ち位置を飛び出して、MacBook Proとの差が少なくなってしまった。性能だけではなく価格もアップしたため、“廉価版MacBook”の登場が以前から期待されていたのだ。

 そこで登場するのが、iPhoneと同じ「A」チップを採用したMacBookというわけだ。

 コンセプトは、iPadを買おうとしている層をターゲットにした「超軽量・低価格なノートブックのMac」と明確だ。12インチクラスの小型ディスプレイにアルミ製の薄型筐体、そしてカラフルなカラーバリエーションを採用するとの噂もある。かつての12インチMacBookの後継機でありながら、教育市場やライトユーザーに向けた機種となる予定だ。気になる価格に関しても、699ドル(約10万〜11万円)程度を目指していると期待されている。

 多くのユーザーにとって気になるのが、性能的に「A」チップで大丈夫なのかという点だろう。その点を補足すると、「A18 Pro」チップは、すでにM1チップに匹敵するベンチマークスコアを叩き出しており、ブラウジングや文書作成、動画視聴がメインのユーザーにとっては十分すぎるパワーを持つ。高負荷な動画編集などにおける快適性は「M」チップに譲る形になるだろうが、その代わり、「M」チップ同様のファンレス構造による「静音性」「省電力性」を保ちながら、圧倒的な「コスト」の低さを実現できる。

 こうしたメリットとデメリットを実際に検証する場として、今回、3都市での体験会を開催するのではないかと筆者は見ている。

「One more thing」はあるのか?

 これら主要製品の影で、その他のアップルデバイスたちも同時に発表されるのではないかと噂されている。

新しい『Apple TV 4K』や「HomePodシリーズ」「AirPods Pro」の登場も期待されている

 今回のイベントタイトルが『Special Event』ではなく『Special Experience』であること。そして、わざわざ海を越えて3都市で同時開催すること。そこには、スペックシートを読み上げるだけでは伝わらない何かがあるはずだ。

 『iPhone 17e』が切り拓く新しいスタンダードや、AIが当たり前になったiPadの便利さ。そして「A」チップを搭載した新しいMacBook。Appleが用意した「体験」の前に、どのような驚きの発表があるのか、ここからの数日間、最高潮の期待を持って待ちたい。

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