『Sky 星を紡ぐ子どもたち』に込められた音楽のこだわり サウンドデザイナー・水谷立が音色にのせた作品のメッセージ
音楽好き待望の「ジャムステーション」が登場
ーー2019年7月にリリースされた『Sky』は今年で4周年を迎えます。サウンドデザイナー兼ジャパン・ブランド・リードの立場から、本作の今後の展望について語っていただけますか。
水谷:おっしゃる通り、『Sky』はこの7月でリリース4周年になります。これを祝うべく、ゲーム内外で様々な企画が立案されています。ゲーム内では4周年を記念した特別な装飾が施されたエリアで、世界中のプレイヤー同士がお祝いできるようなイベントを計画しています。また国内においても、7月中旬に日本の皆様と『Sky』をお祝いするリアルイベントを渋谷で開催させていただきました。すでに発表済みのもので言うと、プレイヤーが集う新たなコミュニケーションの場である「花鳥庭園」をはじめ、本編よりも過去の時間軸を描いたアニメーションプロジェクトなど、ファンの皆様に楽しんでいただけるようなプロジェクトを進行中です。
ーー本日は『Sky』のサウンドデザインについて詳しくお伺いしましたが、4周年に合わせた新機能の実装はいかがでしょうか。
水谷:サウンド面からひとつ、『Sky』の世界で皆様に楽しんでいただける機能をご紹介させてください。このインタビューを受けさせていただいた7月3日より、『Sky』にて「音楽の日々」というイベントがスタートしました。
このイベントから導入された新機能として、音楽を楽しむための「ジャムステーション」が登場しました。イメージを分かりやすくお伝えすると、リズムに合わせて音色を記録・再生するためのミュージックシーケンサーのような機械です。横軸が音程、縦軸が時間(タイムライン)となっていて、プレイヤーが自由に音符を打ち込むことで音楽がループ再生されます。自分の好きなパターンを打ち込んで楽しめるだけでなく、複数のプレイヤー同士で編集画面が共有されるので、それぞれ違う楽器を担当し、協力しながら楽曲を組み立てることができるんです。
ーー音楽によるコミュニケーションが醍醐味の『Sky』において、まさしく待望とも言える機能ですね。
水谷:そう言っていただけると嬉しいです。ネットワーク接続を介したオンラインゲームは、性質上どうしてもラグの問題を抱えています。離れたプレイヤー同士が楽器を演奏する際、技術的な制約から時間的なズレが生じてしまいます。しかし、音色パターンを記録して再生するジャムステーションは、どんなプレイヤーでも音楽を一定のスピードで再生することができます。作曲するプレイヤー、周りで鑑賞しているプレイヤーも同じリズムで音楽を共有でき、ネットワーク接続のラグを気にせず音楽が楽しめるようになりました。
くわえて、『Sky』4周年イベントでは音響機器メーカーのRolandさんとのコラボレーションも決定しています。テクノミュージックやヒップホップミュージックのシーンで伝説的になっている「TR-909」という名機がありまして、今回はその音色を使って他のプレイヤーと一緒に演奏できるようになります。音楽好きにとっては、Rolandの機材が生み出す音楽って馴染み深いものだと思うんです。普段ゲームを遊ばない方、『Sky』をまだ体験したことが無い方々も含め、「リアルタイムで他のプレイヤーと楽器を演奏する楽しさ」をこの機会に体験していただいて、『Sky』に興味を持ってもらえると嬉しいです。
ーーリリース4周年に合わせてコミュニティがますます盛り上がりそうです。最後に『Sky』を楽しんでいるファン、これから『Sky』の世界に飛び込んでみたいと考えている方々へ向けてメッセージをお願いします。
水谷:『Sky』は世界中から集まった色々な人々が、当人のペースに合わせて自由に過ごせる場所です。軸となるストーリーラインや目指すべき目的はゲーム内で提示されますが、それらを横に置き、単に「プレイヤー同士で楽器の演奏に興じる」といった遊び方でも何ら問題ありません。どんな人でも受け入れ、気の赴くままに楽しめる。これが『Sky』の良いところだと感じています。今回お話させていただいたサウンド面を含め、皆様が心を引かれた部分から『Sky』に触れていただけると、取材を受けさせていただいた甲斐がありますね。
“アヒル人狼”に見るポップな演出と優れたゲーム性 『Goose Goose Duck』は配信者向けパーティゲームだ
新型コロナウイルスによる世界的な停滞のなかで、友人と遊ぶためのオンラインゲームが非常に重要視され、新たに発売されるゲーム作品はそ…