“アヒル人狼”に見るポップな演出と優れたゲーム性 『Goose Goose Duck』は配信者向けパーティゲームだ

“アヒル人狼”のポップな演出とゲーム性

 新型コロナウイルスによる世界的な停滞のなかで、友人と遊ぶためのオンラインゲームが非常に重要視され、新たに発売されるゲーム作品はそれまで以上の注目を集めるようになった。

 日本では『Apex Legends』『VALORANT』といったFPSゲームや、Nintendo Switchで発売された『あつまれ どうぶつの森』など、趣向性は違うものの友人と共に遊べる多人数参加ゲームが大きくヒットしていった。

 そのなかで同じように人気を集めたのが、いわゆる"人狼ゲーム"と言われるタイプのゲーム。村人・人狼に分かれて行動し、誰が人狼(犯人・悪者)なのかを推理して当てるというのが主なゲーム内容だ。

 日本においてはカードを使ったテーブルゲームやネット上でのチャットゲームとして広まり、ニコニコ生放送で配信番組『アルティメット人狼』が企画・放送されたり、作家・川上亮によるホラー小説作品『人狼ゲーム』が連載、テレビドラマやマンガなどへとメディア展開されたことで、「人狼ゲーム」という名前やゲーム内容はある程度理解いただけているだろう。

 人狼系オンラインゲームがいくつもリリースされ、2021年10月4日リリースの『Goose Goose Duck』もその一つである。

ガチョウvsアヒルvs〇〇〇 40を超える役職がプレイヤーを惑わせる

 人狼ゲームといえば、コロナ禍が続くなかで『Among Us』がストリーマーやYouTuberを中心に注目され、プレイしたことのあるかたも多いはず。

Among Us Trailer

 『Goose Goose Duck』も同様に、村人側であるガチョウ(グース)/狼側であるアヒル(ダック)を中心に鳥類を操る人狼ゲームだ。

 最大参加プレイヤーは16人、ステージは現在8ステージが公開されており、宇宙船・砂漠・迷宮とさまざまな場所を模したステージと「アヒル」をモチーフにしたさまざまなギミック・モニュメントが面白い。

 プレイヤーはタスク(仕事)をこなすグースと、グースに紛れて妨害やキルを行うダックに分かれる。加えて第三陣営としてドードー、カラス、ピジョンといった鳥類も参加しており、グース/ダック/第三陣営それぞれのタスクをこなし、互いの陣営を排除、またはタスクをすべて完了することで勝利となる。

Goose Goose Duck: Gameplay Trailer 2022

 注目すべきは、狼役であるアヒル(ダック)側、村人役であるガチョウ(グース)側、第三陣営の役職それぞれが多彩であることだ。

 イナゴの群れを召喚して妨害する魔術師、マップのギミック・罠によるキルを無効化する冒険家、第三陣営では投票によって追放されることが勝利条件となるドードーや、他プレイヤーを生きたまま飲み込めるペリカンなど、合計44種類もの役職がある。初見ですべての役職を把握したり、どのような役職があるかと想像するのもかなり難しいレベルだ。

 アンデルセンの童話「みにくいアヒルの子」にもあるように、アヒルやガチョウといった鳥類は一見すると見た目が似ている。“近しい見た目”であることを軸にして村人・狼側に分けて戦わせるというセンスや、第三陣営に同じ鳥類でもドードー、ハゲワシ、カラスといった鳥類でまとめるなど、「鳥同士のやり合い・争い」という分かりやすい図式へと仕上がっているのが面白い。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる