『Age of Mythology』20周年 神話を題材にしたリアルタイムストラテジー
『Age of Mythology』は、2022年11月1日に発売20周年を迎えた。本作は神話を題材にしたリアルタイムストラテジー(以下、RTS)ゲームで、ギリシャ・エジプト・北欧の神話に登場した怪物や英雄がひしめきあうクロスオーバー作品的な側面もある。本記事では、20周年を機に同作の魅力を改めて語りたい。
『Age of Emipres』シリーズの外伝的タイトル
『Age of Mythology』は、2002年11月1日にMicrosoftから発売されたPC向けのRTSゲームだ。RTSの金字塔「Age of Empires(以下、AoE)」シリーズの外伝作品であり、基本的なシステムは同作を踏襲しているものの、ゲームプレイが快適になるよう一部のシステムがブラッシュアップされている。そのため、ゲームとしてのクオリティは『AoE』以上と評価するファンも少なくない。また、史実ではなく「神話」をモチーフにしているという点が『AoE』とは大きく異なる。
なお、RTSというジャンルについて詳しくない人のために補足しておくと、「ターン制を廃したシミュレーションゲーム」と考えてもらえればよい。しかし、本作は単純に兵士を操作するだけのゲーム性ではなく、「町の人」と呼ばれるユニットを使って資源を回収したり、建物を建築して町を作りあげたりといった内政要素まで用意されているのが特徴だ。資源を集めて文明を進歩させるほど強力なユニットを作成できることから、勝利のためには内政の手腕も重要となる。
リアルタイムに変化し続ける戦況を見極めながら、内政・進攻・防衛をこなさなければならない本作は、非常に操作が忙しいゲームといえるだろう。その一方、内政によって一大文明を築き上げ、強大な軍隊を編成し、敵軍を打ち倒す様子は圧巻だ。
ギリシャ・エジプト・北欧の神話が夢の競演
本作では、「ギリシャ」「エジプト」「北欧」の3つの文明からひとつを選択してプレイすることになる。それぞれの神話に登場した英雄や怪物を、ユニットとして操作できるのだ。例えば、「ギリシャ」を選べばディズニー映画にもなったギリシャ神話の英雄「ヘラクレス」、彼と対峙した「ヒュドラ」「ネメアのライオン」などのユニットを操作することが可能だ。これらのユニットは通常の兵士よりも強力で、一騎当千の活躍が期待できる。
そのほかにも、エジプト神話からは「スフィンクス」や「フェニックス」、北欧神話からは「トロール」や「ワルキューレ」など、だれもが一度は名前を聞いたことのある神話上の怪物が登場する。これらのユニットから編成された軍団同士の戦いは迫力満点だ。したがって、本作は「神話のクロスーバー作品」としても魅力あるタイトルといえるだろう。
また、ゲームシステムを通じて文化圏ごとの信仰の違いを表現しているのもユニークだ。本作では、神々を信仰することで「恩恵」と呼ばれる資源が与えられる。これは強力なユニットを作成するために必要になるが、文明によって集め方が異なる。たとえば、ギリシャであれば神殿を建造して祈りを捧げることで恩恵が集まるのに対し、北欧では戦闘や狩猟をしなければ恩恵が集まらない。このような文化ごとの信仰の在り方の違いがゲームシステムにまで反映されているのは面白い試みだ。
さらに、神々や怪物についてのエピソードが記載された、神話辞典のような機能も付属。当時小学生だった筆者は、このゲームを通じて神話に対する興味を大いに深めた。
そんな本作だが、2022年10月26日にはグラフィックの刷新や新たなゲームシステムなどを追加した『Age of Mythology: Retold』の制作が発表された。こちらはまだ詳細は発表されていないものの、おそらく『Age of Emipres :Definitive Edition』のように、現代に合わせてアップデートされた『Age of Mythology』となるのではないだろうか。ファンとしては、いまから発売が楽しみでならない。
また、本作をいますぐ遊びたい場合は、Steamで配信中の『Age of Mythology: Extended Edition』がおすすめ。こちらは高解像度化などの処理が施されたリマスター版で、ほぼ原作と同じゲーム体験が味わえる。
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