『Weekly Virtual News』(2025年2月18日号)
『キャプテン・アメリカ』『サモトラケのニケ』『サンリオ』……続々登場するユニークなメタバース施策

今年も開幕、『サンリオVfes』がさらにパワーアップ 公式3Dアイテム販売も
サンリオによるVRイベント『Sanrio Virtual Festival 2025』が始まった。今年も1ヶ月の長期開催となり、アーティストライブ、グリーティング、コラボイベント、アトラクションなど、多種多様なコンテンツが展開される。
筆者も参加者としてめいっぱい楽しんでいるが、昨年の人口増加もあってか、例年以上の活気が見られる場所も多い。特に好評だったバーチャルパレード(もとい、新作フル3Dアニメ)『SHOWBYROCK!! ましゅまいれっしゅ!! キセキかもしれないレゾナンス』は、『VRChat』内の同時接続数が約4,500人まで届くのを観測した。
/
ぽこピー × 狸豆建設の
アーティストパフォーマンス動画を
チラ見せ🎵
\
2/15(土)に上演された #ぽこピー × #狸豆建設 のアーティストパフォーマンス動画の一部をYouTubeにて期間限定公開中✨https://t.co/sAkueoGXYrぽこピー ×… pic.twitter.com/FVpZy8Rnsh
— Sanrio Virtual Festival 2025 (@SANRIO_Vfes) February 17, 2025
/
LuminaPalette featuring ほわんの
アーティストパフォーマンス動画を
チラ見せ🎵
\
2/15(土)に上演された #LuminaPalette featuring ほわん のアーティストパフォーマンス動画の一部をYouTubeにて期間限定公開中✨https://t.co/KhuNGDtueILuminaPalette featuring… pic.twitter.com/XwMjeq5cFB
— Sanrio Virtual Festival 2025 (@SANRIO_Vfes) February 17, 2025
昨年から大きな変化を感じるのはアーティストライブだ。VTuberやVRアーティストのパフォーマンスに対して、様々なクリエイターが空間演出を施す座組となっており、アーティスト性とクリエイティブが融合したステージがいつも以上に目立つ。サンリオキャラクターズとの共演も多く、おそらく今会期はこれまでで最も洗練されたVR空間でのアーティストライブを観覧できる機会になるだろう。
\✨#サンリオデジコレ BOOTH販売開始!✨/
ついにBOOTHでの販売がスタートしました!🎀
たくさん写真を撮って、ぜひSNSに投稿してくださいね✨📅2月9日~3月9日 開催中のSanrio Virtual Festival 2025に着て遊びに行こう🎀🌈 #サンリオVfes
🎨イラスト:七海喜つゆり様( @namikitsuyuri ) pic.twitter.com/XMGTkaeXX5
— Sanrio Digital Collection (@Sanrio_D_coll) February 14, 2025
そして、このイベントに合わせてサンリオ公式の3Dアイテム展開「Sanrio Digital Collection」も始動した。第1弾として、イラストレーター・赤倉が描いた「サンリオ女子」シリーズのイラストを、『VRChat』向け3Dアイテム(髪型、衣装、アクセサリー)化したものが登場、「BOOTH」およびアダストリアのデジタルEC「StyMore」にて発売されている。
「著名なクリエイターのイラスト作品の3D化」は、これまでフィギュア化などでおこなわれていた展開が、3D・メタバース領域へと発展していると考えればイメージしやすい。ユーザーが自由にアバターに着せ替えできるアパレルのひとつとしてリリースする流れは、これまでサンリオが『VRChat』方面で積み上げてきたものを踏まえれば納得感がある。既存コンテンツの3D化は、IPホルダーのわかりやすいメタバース進出の経路になりそうだ。
『サモトラケのニケ』のアバターも 専門家監修の古代ギリシア衣装が登場
ゲームさんぽやNHK講座でも話題の古代ギリシャ研究家、藤村シシンさん(@s_i_s_i_n )とコラボレーションしたデジタルファッションブランドを立ち上げました🪽古代ギリシャの日常や神話の世界へようこそ!https://t.co/j6pc4vzuv8
もちろんメタバースでも現実でも着れちゃいます😤 pic.twitter.com/ZvM2EgjLqA
— 原島 篤史 | harmony inc. CEO (@Goooglen) February 14, 2025
『VRChat』向け衣装展開として興味深い事例がひとつ増えた。デジタルファッションに取り組む株式会社harmonyの新規デジタルファッションブランド「IΛIAΣ(イリアス)」だ。古代ギリシャ研究家の藤村シシンとコラボした、古代ギリシアなどをモチーフに据えたデジタルアイテムを取り扱うブランドとなる。
同社のデジタルファッションSNSアプリ「flah」にて、カメラ越しにデジタル試着することもできるが、『VRChat』向け3Dデータも発売されているので、『VRChat』でアバター越しに袖を通すことも可能だ。アバターに着せるコレーだけでなく、装飾品として花冠や盾もあり、さらに「サモトラケのニケ」がアバターとして登場している。専門家も監修したユニークなアセット群は、意外と事例が少ない。面白いアプローチだ。
左から失礼!
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の
2/14日本公開を記念して、応援ワールドが公開🇺🇸🛡️🐦キャプテン・アメリカの盾を投げてゲームができるほか
日本各地を走る赤いハルクのトラックと記念撮影も📷
Androidにも対応してますよ~!✨⬇️ワールドURLはリプライへ⬇️ pic.twitter.com/wTV28tj9wn
— VirtualMarket バーチャルマーケット Vket (@Virtual_Market_) February 10, 2025
老舗・HIKKYは『バーチャルマーケット2025 Summer』の開催を発表しつつ、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』公開を記念した特設ワールド「VR Shibuya」を公開した。「バーチャルマーケット」とは独立させて、こうしたタイアップコンテンツを公開するのは、HIKKYとしてはめずらしい。
「VR Shibuya」は、その名の通り渋谷を再現した空間で、街の各所に、展示コンテンツや体験コンテンツを配置。キャプテン・アメリカの盾を投げて的当てができるゲームに、レッドハルクのアドトラック、キャプテン・アメリカのなりきりフォトブースなど、シンプルながらわかりやすいものが中心となっている。ちなみにモバイル対応されているので、Android端末や『Meta Quest 3』などの一部VRヘッドセット単独での訪問もできる。アクセス性の確保はこの手のPRコンテンツでは重視されるところだ。
ちらほらと続くVTuberの『VRChat』参入 VRアイドルはポータルサイトを立ち上げ
『VRChat』を訪れるVTuberもちょくちょく現れている。つい先日には、.LIVE所属・神楽すずがバレンタインデーに合わせて『VRChat』配信を実施した。お菓子作りができる定番ギミックがあるワールドで、視聴者に向けてお菓子作りに奔走する姿が見られた。
次回フルトラ再挑戦します😭😭
ケーキとかコーヒーとかおいしく食べてくれてありがとうございました😊本日もありがとうございました!— 神楽すず🍋 (@kagura_suzu) February 14, 2025
自身のアバターをすぐには持ち込めないためか、配信中は市販アバター『ミルティナ』を利用している。このアバターはちょうどスマッシュヒットを叩き出している新顔であり、ここをピックしているのは情報感度の高さを個人的には感じた(配信テーマとのマッチも大きそうだ)。なお、アバターはテクスチャや表情などをカスタマイズ済みで、アセット利用規約も把握済み、「次はフルトラ(フルボディトラッキング)に再挑戦する」とも述べているあたり、やる気は十分といったところだろう。
【お知らせ】
バーチャルアーティストのライブ&イベントに特化したWEBカレンダー『VIRTUAL LIVE CALENDAR』をつくりました!https://t.co/sSrUXMbwLoファンの皆さまはもちろん、ご自身のライブやイベントを発信したいバーチャルアーティストさまもぜひご活用ください!#バーチャルライブカレンダー pic.twitter.com/P6QUONwXR0
— えのぐ / enogu (@rbc_geino) February 10, 2025
ユニークな展開としては、VRアイドル「えのぐ」がバーチャルアーティスト向けカレンダー「VIRTUAL LIVE CALENDAR」を公開した件が挙げられる。Xなどでは流れがちなバーチャルアーティストが出演するイベント情報を集約し、キャッチアップしやすくすることを目的としたポータルサイトである。
リアルイベントはもちろん、オンライン配信プラットフォームやメタバースでの開催イベントも掲載対象となっている。このあたりは、「えのぐ」が対バンライブイベント「VRide」でメタバース出身アーティストも呼び込んでることを踏まえると、ごく自然な対応であることが理解できるだろう。いずれにせよ、膨大な数のイベントがあふれる現状で、その情報集約に現役プレイヤーの一人が動いたのは、業界成熟のひとつの形と言えるかもしれない。
「SUZURI」×「VRChat」によるグッズデザインコンテストが開催! 受賞作品は公式ショップにて販売予定
「SUZURI byGMOペパボ」は、VRChat Inc.と共同で「VRChat」のオリジナルグッズデザインコンテストを1月3…