画面を見ているだけで癒される? 心身をほぐす”ゲーミングChill”で晩夏を乗り切ろう

心身をほぐす”Chillなゲーム”

 2022年も早いもので8ヶ月が過ぎ、時節が夏から秋の変わり目に差し掛かっている今日このごろ。日中の気温はまだ30℃近いものの、夜間は20℃前後と半袖では肌寒く、そうした昼夜の温度差で体調を崩す人を筆者の周囲でもちらほらと見かける。

 くわえて、イベント等が数多く開催された7月〜8月が終わると、「気の緩みからか力がどうにも入らない」という悩みをはじめ、「夏休み明けでペースを取り戻すのがしんどい」といった学生の声も数多く挙がっている。こんな時こそ、早寝早起きを心がける・食生活を見直す・自分に見合った休息の取り方を考えてみる……等々、生活習慣をコントロールする姿勢が大事ではないだろうか。

 また、生活習慣をコントロールする以外に心身を整える意味合いで知っておきたい言葉がある。それが、2021年の新語大賞(提供:三省堂)に選ばれ、近しい名前のドリンク飲料も発売された「Chill」(チル)というワードだ。

 チルとは英語の”chill out”が語源になった俗称で、「落ち着くこと・気を静めること」といった意味がある(デジタル大辞泉より)。ほかにもクラブミュージックなどをはじめとする音楽文化とも関わりがあるのだが、本稿のお題目と離れてしまうため、詳細は割愛させて頂く。早い話、上述の通り「心身を落ち着かせる・リラックスする」意味として捉えてもらえればOKだ。

 そして今回は、ゲームプレイを通して心と体を休める行為を「ゲーミングChill」(安直?)と称し、ゲーマーらしくゲームを通してチルするのに丁度良い作品を独断と偏見込みで選んでみた。四方八方から「ゲーミングをつければ何でも良いわけじゃない!」とツッコミの槍が飛んできそうだが、どうか寛大な心で接してもらえると幸いである。

なにもせず画面を眺めるだけでいい それがゲーミングChillの真髄

 ゲーミングChillにもってこいのゲーム作品。一本目に紹介するのは、Low-Hi Techが開発を手掛けた『Chill Corner』だ。そのタイトル名から分かる通り、本作はアグレッシブなゲームプレイを通じて達成感や脳汁を誘発させるのではなく、心地よいLo-Fiミュージックに耳を傾け、のんびりと部屋の模様替えを楽しむところに本質がある。

『Chill Corner』

 ゲームを始めると、まず目に飛び込んでくるのはキューブ状のワンルーム。プレイヤーはこの部屋に暮らす住人の生態を眺めつつ、時間経過で貯まるポイントと引き換えにアイテム類(家具・ペット等)を入手し、時おり模様替えを試みる……ただそれだけでいい。能動的にできることは限られており、どちらかと言えば放置系シミュレーションの色合いが濃い。 それでもストアページ(Steam)では”非常に好評”レビューがかなりの割合を占めており、「とてもリラックスできる」「雨音などの環境音が心地よい」等々の評価も目立つ。PC作業の裏で流すBGM用ソフトとして、または何気ないリラックスタイムを過ごす相棒としてピッタリな一作。楽曲関連の追加DLCが充実しているのも嬉しいポイントだ。

 ちなみにLow-Hi Techは現在、本作のゲーム性をもとに最新作『Chill Town』を開発中。興味がある方はこちらもチェックしておくと良いだろう。

「焚き火シミュレーション」と「荷ほどきパズル」で心身をほぐす

 キャンプ・林間学校・そのほか様々なシチュエーションで焚き火を目の当たりにした時、「何故か心が落ち着いた」「リラックスできた」という経験のある方は意外と多いのではないだろうか。それもそのはずで、我々現代人のDNAには、数十万年前より火を生存戦略のために駆使してきた祖先の記憶が脈々と受け継がれているからだ。

 ……と、やや大げさに書いてみたが、焚き火の心身リラックス効果は実際に専門機関でも言及されており、大阪ガスネットワークのエネルギー・文化研究所によれば、”火にはなんらかの心理的効果があり、コミュニケーションを促進する効用があるのではないだろうか?」という仮説を持つに至った”とのこと。加えて、”自然の風景には癒しの効果があり、見ていると集中力が回復する”とも言われている。

『Fire Place』

 まさに焚き火はチルにうってつけなのだが、キャンプ場ならともかく、いくらチル目的だからと言って屋内での無計画な着火はさすがに難しい。そこでオススメなのが『Fire Place』だ。本作は丸めた新聞紙や木材を投入しつつ、ただひたすらに焚き火の明かりを見守るシミュレーションゲーム。こちらも『Chill Corner』と同様、ストーリーや凝った仕掛けを楽しむと言うよりも、美しい火のゆらめきと環境音をしみじみと感じる楽しみ方がベスト。満天の星空の下、頃合いを見ながら焚き火の世話をする。これだけでも画面越しにどことなく温まってくるから不思議なものだ。販売価格も520円(税込)と財布に優しい。

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