ビデオゲームの名作を彩る「橋イベント」って？　世紀の決戦から「待たせたな！」でお馴染みの潜入劇まで

　筆者はライターという職業上、記事ネタを確保するべく様々なコンテンツの記念日を調べている。たとえば新作ゲームの発売日や名作の発売日をはじめ、映画の放映日、コミック作品の連載スタート日、各クールごとのアニメ放映日……等々、その種類は割と幅広い。

　その延長線で各月の記念日を調べることもあるのだが、国内外を問わずほぼ毎日何かしらの記念日が設けられているため、流し読みでも有益な情報と出会うことができる。仕事を抜きにしても、記念日リサーチはちょっとした暇つぶしにピッタリと言えるだろう。

　では、読者のみなさんは来たる”8月26日”が何の記念日かご存知だろうか。

　正解は「レインボーブリッジ開通記念日」。東日本を代表するこの大型連絡橋は、1993年8月26日に開通して以降、30年近くにわたって存在感を放ち続けている。東京都民で無くとも、レインボーブリッジという名前に馴染みのある方はきっと多いはずだ。筆者は関西出身だが、2003年公開の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ！』の主人公・青島俊作（演：織田裕二）が発した名言「レインボーブリッジ、封鎖できません！」が個人的にかなり思い出深い。

　そこで今回は、レインボーブリッジ開通記念日とマッチしたゲームネタをお届けするべく、ゲーム作品の印象的な「橋イベント」を独断で3つピックアップ。緊張感溢れる決戦や驚くべき潜入作戦など、ゲーム内の橋を舞台に繰り広げられた名演出の数々を振り返る。

ビッグブリッヂ（ファイナルファンタジーⅤ）

　最初に取り上げる橋イベントは、国民的RPGシリーズの第5作目『ファイナルファンタジーV』（FF5）より、「ビッグブリッヂの戦い」だ。『FF5』では宿敵「エクスデス」を倒すために主人公「バッツ」とその仲間たちが世界を巡っていくが、ビッグブリッヂは、エクスデスの居城へと続く連絡橋であり、『FF5』内でもとりわけ人気の高い中ボス「ギルガメッシュ」が登場する場所としても知られている。大ボスの根城を前に奔走する緊張感に加え、橋上で戦うギルガメッシュの際立ったキャラクター性も相まってか、ビッグブリッヂに思い出のあるプレイヤーも多いのではないだろうか。

　そんなビッグブリッヂは「ファイナルファンタジー」シリーズ内でも知名度の高いスポットだが、その所以は同シーンをプレイ中に流れるBGM「ビッグブリッヂの死闘」にあると見て間違いない。この楽曲はビッグブリッヂ及びギルガメッシュ戦のために用意されたもので、イントロから疾走感の強いロック調のテイストが特徴的。YouTubeを見ると、同楽曲の演奏動画が数百万近い再生回数を記録しており、多いものでは1200万回を超える動画も存在する。ゲーム作品を形作る一種のイベントとしてだけでなく、音楽の面からも注目されている点が伺えることだろう。

オルディン大橋（ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス）

　続いて紹介するのは、任天堂の家庭用ゲーム機・Wii向けに発売された『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』より、「オルディン大橋の一騎打ち」。その名の通り、同作における舞台の一つ・オルディン地方に位置する橋で、同時に”決戦の場”としても名高い。と言うのも、同作の主人公「リンク」とブルブリン族のボス「キングブルブリン」が互いを打ち倒すべく、橋上にて一騎打ちを試みるからだ。

　リンクは「ゼルダの伝説」シリーズお馴染みの愛馬「エポナ」にまたがり、キングブルブリンも同じく屈強な猪型モンスター「キングブルボー」を駆って登場。橋の両端から走り出し、勢いそのままに中央部まで駆けつけ、各々の全力を相手へぶつける。一歩間違えば崖下へ転落という緊張感が漂う中、両者は己のプライドをかけて戦い抜き、リンクを操るプレイヤーもコントローラーを介してその興奮を味わうことになる。キングブルブリンとはその後も矛を交えるが、序盤の決戦の舞台として選ばれたオルディン大橋こそ、”強敵”（とも）との戦いの聖地であり、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』を代表する名スポットと言っても良いのではないだろうか。

　ちなみにオルディン大橋は、2008年発売のWii用ソフト『大乱闘スマッシュブラザーズX』（スマブラX）内のバトルステージにも選ばれている。こちらは『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』内の地形を生かした1本道となっており、キングブルブリン＆キングブルボーがステージギミックとして登場。彼らの暴走で橋上が壊されることもあり、これまでに多くのプレイヤーを奈落（ステージ外）へと誘われた。『スマブラX』以降も同シリーズのレギュラー出演を果たし、最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にもバトルステージとして収録されている。