YouTubeが日本に与える経済的、文化的、社会的影響とは? パリーグTVやポニーキャニオンの事例も

YouTubeが日本に与える影響とは?

誰でもクリエイターとして日本の文化を世界に発信

 日本のクリエイターはYouTubeを介して、海外の視聴者に向けて文化を発信できるようになった。地元の声を伝え、地元で制作したコンテンツを宣伝し、日本らしさを世界に広めている。クリエイターの70%が「YouTubeによってさまざまな国の視聴者にコンテンツを届けることができる」と考えている。日本国内のチャンネルで作成されたコンテンツの総再生時間のうち、10%以上が海外からの視聴となっている(YouTube調べ)。

 YouTubeでは世界各地のさまざまな経歴や年齢のクリエイターに対し、従来のメディア業界では実現が困難だったコンテンツを公開する機会を提供している。このオープンなカルチャーのおかげで、YouTubeは今では多種多様なコンテンツを扱う一種のコンテンツライブラリーとなった。こうしたコンテンツは社会に対話を生み出し、新しいコミュニティーを構築し、社会の変化を促進する可能性を秘めている。ユーザーの74%が「YouTubeは幅広いコンテンツが集まっている場所である」、マイノリティーを自認するクリエイターの72%が「多様性と革新性に優れたコンテンツを作成するようYouTubeコミュニティーに応援されている」と考えている。

学習方法やコロナ禍の影響に関する興味深い調査結果

 日本のユーザーはプライベートと仕事の両方において、YouTubeから資格取得や転職などの幅広いスキルと知識を習得できるようになった。ユーザーの83%が「情報や知識を集めるためにYouTubeを使用している」、同じく68%が「実践的なスキルを磨くために YouTubeを使用している」と回答。YouTubeを使用する子どもを持つ親の60%が「YouTube(子どもが13歳未満の場合はYouTube Kids)により、子ども達が自分に合う柔軟なペースで学習できている」と考えている。またYouTube を使用する学生の50%が「課題や個人的な学習を補助するためにYouTubeを使用している」と回答した。

 YouTubeは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下において貴重な情報源ともなり、社会に孤立や混乱が生じる時期に人々や企業の貴重な情報源として活用されている。ユーザーの64%が「COVID-19 拡大が始まって以来、YouTube が役に立っている」と考えている。

 ここまでの「YouTube Impact Report」は、オックスフォード・エコノミクスの長井滋人(在日代表)が解説。終盤の学習に関しては、160万人以上が登録しているチャンネル「とある男が授業をしてみた」を運営する葉一が、自身の例で軽く補足するかたちになった。

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