Stadia、Safari経由でiOSプレイが可能に Amazon「Luna」は一部のAndroid端末に対応へ
月額料金で複数のプラットフォームから多数のゲームをプレイできるクラウドゲームサービスは成長が見込まれるのだが、その成長を阻む壁が存在する。その壁とは、Appleが定めるApp Storeのガイドラインだ。このガイドラインでは、クラウドゲームアプリに厳しい審査基準が設けられている。しかし、公然の抜け道があることも知られており、そこからGoogleがiOS市場に参入する。
「AppStoreの壁」無効化の波
Apple専門ニュースメディア『MacRumors』は16日、Googleが提供するクラウドゲームサービスStadiaがiOSデバイスに対応することを報じた。前述のようにApp Storeのガイドラインでは、クラウドゲームアプリ(ガイドラインでは「ストリーミングゲームサービス」という表現が使われている)は配信する個々のゲームをAppleの審査に提出しなければならない、という厳しい条件を設けている。しかし、Safari経由でゲームを配信する場合はこの限りではない。
以上のような事情により、iOSデバイスにおけるStadiaの提供はSafari経由で行われる。具体的には、Stadia公式サイトにSafariからアクセスしてプレイする。アクセスを簡単に行えるように公式サイトをホーム画面に追加することも推奨されている(トップ画像参照)。もっともiOS版Stadiaはパブリックベータ版であり、追加機能やパフォーマンスの改善が予定されている。
StadiaをSafari経由でプレイする場合に気になるのが、ラグ(動作遅延)だ。クラウドゲームサービスは、グラフィック処理のような計算資源を多く使う処理をクラウドで実行することにより、高精細な画質を多数のゲームデバイスに提供している。クラウドとの通信に加えて、Safariでのレンダリングという処理が追加されるとラグの発生は避けられないのかも知れない。
なお、現在Stadiaは22の北米とヨーロッパの国で提供されている。日本を含めたアジア諸国での提供時期については依然として不明だ。
Ubisoft+もStadia参入
StadiaのiOS対応が報じられた16日より少し前の14日、テック系メディア『The Verge』は大手ゲームパブリッシャーのユービーアイソフトのゲームサブスク「Ubisoft+」がStadiaで提供されることを報じた。Ubisoft+とは同社が提供していたゲームサブスク「UPLAY+」を11月に改称したものであり、改称を発表した時点でAmazonのゲームサブスク「Luna」とStadiaで提供することが告知されていた。
Ubisoft+は月額14.99ドル(約1,550円)で100以上のPCゲームがプレイできるサービスなのだが、日本や韓国のような多くのアジア諸国では利用できない。Stadiaから利用する場合には、同サービスに加入したうえでStadiaと連携する操作を行う。Stadiaとの連携によって追加料金は発生しないものも、4K対応環境でプレイしたい場合は、月額料金9.99ドル(約1,000円)のStadia Proに加入する必要がある。
Ubisoft+でプレイ可能なゲームには『アサシン クリード ヴァルハラ』や『ウォッチドッグス レギオン』のような最新ゲームはもちろんのこと、アサシンクリードシリーズの旧作も含まれている。