なぜNetflixの「無制限休暇制度」は成功したのか これからの時代に必要な“心の知能”とは

なぜNetflixの「無制限休暇制度」は成功したのか これからの時代に必要な“心の知能”とは

 Netflixは、2004年から「無制限休暇制度」を導入してきた。一見無謀に見えるこの制度の成功は、EI(心の知能)を高めることによるものだという。今ビジネスパーソンに必要とされるEIとは、どのようなものなのだろうか。

自身の感情を認識し、コントロールすることが成功への鍵に

 NetflixのCEO、リード・ヘイスティングス氏は、9月初旬に発売された著書『No Rules Rules(ルールなきルール)』で、 「No Vacation Policy(無制限休暇制度)」誕生の経緯について語っている。同著によれば、少しのEIを持つことがこの制度を正しく機能させる鍵になるという。

 ヘイスティングス氏によると、2003年まで、Netflixは他の会社と同じような休暇制度を採用していた。しかし従業員の1人が、「1日、または1週間の労働時間については決まりがないのに、なぜ年間休暇日数だけ会社が管理するのか?」と尋ねたという。ヘイスティングス氏はこの質問に対する明確な答えがないことに気付き、休暇日数を社員の判断に委ねる「無制限休暇制度」を取り入れた。同氏は、「今日の情報化社会において重要なのは、何時間作業するか、ではなく、何を達成するかだ」と述べている。

 同社にとって大きなイノベーションは、休暇から戻ったあとの社員によって起こることが多いという。「休暇は、クリエイティブに物事を考え、自身の仕事を別の観点から見ることができる良い機会となる。休みなしで働いていると、新たな視点で物を見ることは難しい」と続けた。

 しかし、自身の判断で長期休暇を取ることに抵抗のある社員も多い。そこで同氏は、年に6週間の休暇をとることにした。多くの社員に休暇を取らせるには、まず自分自身や、上司が休暇をとることが1番だと考えたそう。

 この制度によって社員の満足度が高まるとともに、優秀な人材を確保しやすくなったという。特に時間を管理されることを嫌うZ世代(1996〜2012年生まれ)とミレニアル世代(1981年〜1995年生まれ)の採用に有効だそうだ。

 ヘイスティングス氏は、この制度を機能させるのに重要なのは、EIを高めることだと結論づけた。

 EIとは「Emotional Intelligence(心の知能)」の略で、1989年にイェール大学のピーター・サロベイ博士と、ニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士によって提唱された概念だ。「情動を正確に知覚する能力」、「自己の情動を管理したり他者の情動に対応する能力」と定義されており、“自身の感情を認識しコントロールする能力”、また“他者の感情を理解する能力”だと言える。

 「大事なのは、リーダーたちが、部下を信頼しているというサインを送ること、そして、自身の行動に責任をもつよう促すことだ」とヘイスティングス氏は語った。

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