麒麟・川島明が語る、SNS大喜利の魅力「大喜利はステイホームと相性がいい」

麒麟・川島明が語る、SNS大喜利の魅力「大喜利はステイホームと相性がいい」

 麒麟・川島明が『#麒麟川島のタグ大喜利』を上梓した。本書は、自身のInstagramで投稿している、哀愁ある芸人仲間の写真にハッシュタグを使ったコメントが光る「タグ大喜利」や大喜利の題材となった芸人仲間59名からのコメント&製作秘話を収録したもの。反響は大きく、現在フォロワーは46万人を超え「ハッシュタグ大喜利」を題材にした特番が組まれるなど話題となっている。

 数あるSNSの中からInstagramを投稿の場所に選んだ理由や、芸人仲間からの反響、そして自粛期間の今だからできるSNSの使い方など話を聞いた。(編集部)

タグ大喜利が仕事の幅を広げるきっかけに

ーーハッシュタグ大喜利を始めたきっかけから教えて下さい。

川島明(以下、川島):もともと、Instagram(インスタ)ではありきたりな犬の写真とかご飯の写真を載せたりしていましたが、ある日、エアコンを掃除している僕の写真を載せたんですよ。エアコンと僕の立ち位置から「#ポケモンの対戦画面か」ってタグを付けたら、1万いいねくらいが付いたんですね。“インスタ映え”を頑張っていた時だったから、それで写真にタグを付けておもろいことが出来るのかなとおぼろげながら思って。そんな予感がしてるくらいの時に、千鳥のノブくんの写真を打ち上げで撮って、「#ドキュメントの最後のカット」ってタグを付けたら、また1万いいねが付いたんです。これ、おもろいことできるな、誰もやってへんし、って感じで始めたのがきっかけですね。

ーー川島さんとしては、思わぬ反響でしたか?

川島:思ってもみなかったです。インスタってお洒落なご飯でインスタ映えとか、モデルの人がカッコイイプロポーションでやるところだと思っていたので。逆に言うと、その時インスタやってた人はお洒落な人ばっかりだったので、普段お笑いをそんなに見てない人がグッと興味を持ってくれた印象がありましたね。

ーー野性爆弾のくっきー!さんが、ハッシュタグ大喜利の恩人として背中を押してくれたそうですね。

川島:それまでは本とか作品にしようというテイストではなかったんですけど、くっきー!さんが「インスタはTwitterと違って、本腰入れてやったら仕事になるわ。川島くんやって」って言ってくれたので、そこで姿勢を正した感じですね。

ーーくっきーさんのインスタがロールモデルにあった。

川島:もちろん、くっきー!さんのインスタも独特で面白かった。くっきー!さん本人がブレイクするきっかけになったから、一生懸命やっていて損はないでって教えてくれました。

ーー手応えを掴んだのはいつ頃のタイミングでしたか?

川島:コツコツやっていって、最初にブラックマヨネーズの小杉さんのインスタを上げた時に、朝のワイドショーが3本くらい取材に来てくれはったんです。そこで、もうちょっと違うステージに行けるかなと思いました。一番最初にバズったやつですね。小杉さんには、ことの詳細を伝えずにカッコイイ写真だけ撮らせてくださいって言って、めっちゃいい写真が撮れたんですよ。この時、僕がポートレート機能がキマるiPhoneにして1発目に撮ったのが小杉さんで。絶妙な表情をしてくださったのと、僕的には気に入ったタグが何個も付けられたので、3万いいねを超えて「初めて大台に乗ったな」って感じでしたね。

ーー芸人仲間からの反響はありましたか?

川島:最初は知る人ぞ知るくらいの感じやったんですよ。全くインスタをやっていなかった小杉さんの写真が勝手にバズって、朝の番組で報道された時に、小杉さんから「お前、あれどういうこと!?」って言われて(笑)。今はかまいたちとか和牛、EXITのりんたろー。君とか、写真撮らせてもらったら「インスタのやつですね、ありがとうございます」って向こうから乗り気で言ってくれて、欲しい表情をくれるし、趣旨を理解してくれてる。始めたばっかりの頃、尼神インターの誠子ちゃんは、ダブルピースの笑顔で、何回言ってもやめてくれなかったんです(笑)。彼女の可愛らしいところで、サービス精神でこれをやってくれてるんですけどね。

ーー写真の撮り方にルールはあるんですか?

川島:各芸人さん4枚撮らせてもらっていて、正面からカメラ目線と目線なし、斜めに立ってもらってカメラ目線、目線なし。ちょっと真面目な顔してもらうっていう、このオファーだけですね。

ーーハッシュタグには川島さんとその芸人さんとの関係性が滲み出ていますね。

川島:僕の人選のひとつで、まずこのタグに載せる人は怒らない人たちなんですよ。多少の悪口に聞こえてしまういじりもあるんですけど、それでもニッコリ笑ってくれる人を選んでいます。プライベートから仲のいい人、仕事でもお世話になってる人ばっかりなんで、みなさんその辺の懐は広くて助かってますね。

ーー最後の一文は芸人さんへのリスペクトが感じられます。

川島:全然喋ったことないけど人気ある芸人とか、タグにしやすいからこの人とかじゃなくて、何度もお仕事をして、何度もご飯に行って、尊敬してる人だけにしようというのはマイルールですね。

ーーNON STYLEの井上さんだけ、最後のハッシュタグが空白に……(笑)。

川島:いや、あんまり長所が見つからなかったですね。尊敬できる部分がなかった(笑)。からくりを言うと、それをやりたかった部分があるんですね。最後の一文なんもないって人を探してたんですよ。ナダル君とかでやりたかったんですけど、ナダルは最初の方に投稿してたので。誰かでやりたいなというところに、いろいろあった井上君が帰ってきましたので、これはやっても叩かれることはないだろうと。ファンもそういう井上君のヒールな一面も楽しめるようになってるし、何を言ってもそれを井上君が受けてくれる。ツッコミのスペシャリストですから。ここはよく「誤植ですか? タグだけ浮いてますよ」とか言われるんです。本を買っていただいた人は、ここを自分で書いてください(笑)。

ーー本誌の中で、ノブさんが「ジャブで笑いをこみ上げさせて、中盤くらいのストレートで吹き出させる」とコメントされていますが、タグの順番や場所の緩急はどのように考えていますか?

川島:1発目に置くのは大事にしています。これで掴まないと、もしくは共感を呼ばないと目線が下がっていかない。いわゆる、劇場で言ったらトップバッターみたいなもんですよね。その後は、4発目くらいでまたいくように。野球の打順みたいなものなんですけど。7、8個目くらいからは、物とかキャラとかだんだんと人じゃなくしていく。だから、7個目くらいを考えているのが一番楽しいんです。

ーー投稿に対しては、どのくらいの時間で考えているんですか?

川島:早い人で言うと、30分もかからないですね。ポンポンポンと降りてくる人もいます。ジャルジャルの後藤君は、多くて削ったくらいなんです。ナダルが意外と難しかったですね。芸人さんは坊主も多いじゃないですか。この本だけでも10人くらい出てくるんですけど、そうなると”タピオカ”ってワードは誰に使おうか、”銀杏”は小峠さんに回そうかとか。後半がキツかったですね。編集さんに同じネタありましたって見つけてもらって、新しいのを考えるっていうこともありましたね。

ーー個人的に、あばれる君の「#ばくだんいわが仲間になりたそうにこちらをみている」が好きでした(笑)。

川島:ゲームが好きだから、ドラクエとかマリオも多くて。あとは課金がどうのこうのとかもあります。自分の趣味ですね。

ーー考えるのは移動中が多いですか?

川島:基本的には移動中ですね。ロケバスとか新幹線で寝られないので、その時間が多いですかね。

ーーフォーリンラブのバービーさんの写真を見つめて熟考していたら、女性アナウンサーの方に勘違いされたというエピソードも(笑)。

川島:考える時にその写真をずっと見るので、浮かんだらニヤッとしてしまうんですよ。端から見たら、ずっとバービーの写真を見て、悩んで、悩んでニヤッとするから、すげぇ片思いしてるなって思うんです。だから、その人のことを思って考えてると目線が気になりますよ。

ーー川島さんの中で特に気に入っているネタはありますか?

川島:自分の中でいい言葉やなと思うのが、アンガールズの田中君の「#ポップコーンになれなかったトウモロコシの不発弾」。これね、トウモロコシで切ってたんですけど、”不発弾”って言葉を入れることによってキュッと締まったなと思って。この言葉は自分でもすごい気に入ってますね。表情と不発弾という言葉がすごく相性いいなと思いました。

ーー宝島社から今回の話があったのはいつ頃だったんですか?

川島:このインスタを気に入ってくれた編集の方がいて、去年の秋に1冊にまとめてみませんかと声をかけてくれましたね。

ーー2018年にスタートした『麒麟・川島のハッシュタグバトルツアー』(読売テレビ)も、インスタの反響を受けてですか?

川島:完全にそうですね。テレビ局としても、旅番組も増え、海外ロケとかも主流になってきて、行く場所がない時期だったらしいんです。名物がないけどあんまり人が行ってへんとこに行って、タグを付けたらええやんっていう思いが僕のインスタと相性が良かったみたいで。ないところを笑いが埋めるってところで声をかけてくださいましたね。

ーータグ大喜利をきっかけに、仕事の幅も広がったんですね。

川島:めちゃくちゃ広がりましたね。番組に呼ばれてもこの人にタグ付けてくださいとか。自分の名刺代わりになるコンテンツになりましたね。

ーー川島さんにとって大喜利は特別なものですか?

川島:特別、「俺、大喜利すごいぞ」とは言いたくもないんですけど、とにかくこの世界に入る前から1番好きな笑いの形だったりして。趣味でもあり、仕事でもあり、とにかく好きなもんですね。だから、形にできてすごい嬉しいです。

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